Benchmarkが「Ruby on Rails」のサポート企業に投資した事実から何が学べるか - (page 2)

文:Matt Asay(Special to CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル

2008-01-23 08:00

 Engine Yardが見いだすであろう1つのことは、Railsの豊富性を供給し続けることができればサービスに対するニーズを刺激できることだ。それゆえ同社はBenchmarkの資本注入を活用して、(Engine Yardの顧客だけにとどまらず)すべての顧客のためにRailsの安定性を向上させようと計画している。

資本注入によってEngine Yardは、「Rubinius」(Rubyの堅固で高速なバージョン)や「Merb」(Railsの付属物)など、Railsのパフォーマンスを向上させるための鍵を握るいくつかのオープンソースプロジェクトに取り組むことが可能になるかもしれない。そして、この取り組みによって今度はEngine Yard自身がソフトウェア開発企業、しかもそれらのテクノロジをはるかに迅速に一大事業に変えることができる企業になるかもしれないと(Engine Yardは)述べている。

 これこそがオープンソースの力だ。オープンソースでは多種多様な人間や組織が各自の限られた目的のために開発に参加することができるが、その結果として誰もが恩恵を受けるのである。これはAdam Smithの言う「神の見えざる手」の縮小版と言えるかもしれない。Engine Yard自身の取り分が大きくなるようにパイ全体を大きくしようとするのは理にかなった行為である。

 要約すると、BenchmarkのEngine Yardへの投資が示唆する意味をじっくりと考えてみるのが賢明だということだ。おそらくBenchmarkは、読者が熟慮の末にようやく理解する事柄をすでに知っているのだ。だから、すぐにでもその意味を考えてみることだ。

 Matt Asay氏はAlfrescoの南北アメリカ担当ゼネラルマネージャー兼ビジネス開発担当バイスプレジデントであり、商用オープンソースに関して10年近い運営経験があり、定期的にオープンソースのビジネス戦略について講演や執筆をしている。Asay氏はCNET Blog Networkのメンバーであり、CNETの社員ではない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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