米企業の調査によれば、過去2年間で90%以上の企業が帯域を拡大させているという。それらの企業の50%以上がアプリケーションの応答時間の低下を経験しているとも、同調査はまとめている。この調査から分かるのは、帯域を増大させることと帯域を的確に管理することはなかなか両立しにくいということだ。
WANアプリケーション配信関連ツールを提供するパケッティア ジャパン インクは1月29日、インターネットやWAN上でのマルチギガビットのアプリケーション性能を監視・制御するモジュール型アプライアンス「PacketShaper Talon TC30」を発表した。4月から販売代理店を通して出荷、参考価格は450万円から、となっている。
Talon TC30は、同社のWANアプリケーション最適化アプライアンスの最上位モデルである「PacketShaper 10000」(PS10000)との組み合わせで、社内LANからインターネットやWAN越しに利用するアプリケーションを、トラフィックをリアルタイムで可視化して、制御することができる。現在、PS10000を導入しているユーザー企業が同製品を活用すれば、PS10000の機能を拡大させることが可能になる。
トラフィックをリアルタイムで可視化、制御するTalon TC30は、ネットワーク上でどんなアプリケーションが動作しているかを把握できることから、ネットワーク管理者は、競合する多数のアプリケーションやユーザーの需要を管理して、優先順位付けを行うことができる。また、大規模のLANやWAN上で、帯域の使用ポリシーを動的に実施することで、主要アプリケーションやサービスが最大限の性能水準を確実に維持するとともに、不要なトラフィックでネットワークリンクで輻輳(ふくそう)が発生しないように防止することができる。
あくまでもTalon TC30は、PS10000と連動するためのモジュール型アプライアンスであり、トラフィックはPS10000経由で管理されることになり、PS10000はまたアプリケーションを分類するとともに、トラフィックを測定、同時にTalon TC30が使用ポリシーを実施して、トラフィックを通過させるという役割分担を行うのである。PS10000は、これらを1台で行っていた。
Talon TC30は、1台で総スループット6Gbpsを提供し、WANリンクに接続されたイーサネットを最大3つまでを同時にサポートし、レイヤ7のアプリケーション配信、性能レポート、帯域パーティション、ポリシー展開を実施する。これらの機能によって、Talon TC30は、動的にエンドユーザーを認識して、データ、音声、動画などすべてのトラフィックの優先順位付けを可能にしている。
またTalon TC30は、帯域を割り当てるインフラとして機能して、企業の遠隔拠点での接続を動的に管理する集約ポイントになる。これによって、Talon TC30は業務上の優先順位に合わせて、企業全体で帯域割り当てを確立、実施できるようになる。
Talon TC30を活用することで、たとえばホスティングしているERPやCRM、ウェブアプリケーションなど、特定の外部のパートナー企業のアプリケーションのために、帯域を確保して管理することが容易にできるようになるという。また、社内で私用目的でPCを使う際に悪質あるいは不正に帯域をムダに消費することを未然に防止できるようにもなる。