自己代入演算子
さらにもう1つ見慣れない表現がある。「angular_motor.x += 100」の「+=」だ。
この見慣れない記号は「演算子」といい、プログラム内の演算をする記号だ。これは日本語版LSL Wikiによれば、自己代入演算子といい、右辺を左辺へ代入するものだ。
さらにLSL Wikiの別の説明によれば、
x = x + 100
という式は、
x += 100
へと置き換えることができる。
つまり、xは処理のたびに100ずつ増えていくことになる。
今回の場合、例えば、「angular_motor.x += 100;」なら、「angular_motorのx要素がボタンを押すたびに増えていく」というようになる。
これでバイクは終わりだ。シーズン2も今回で終了となる。エンジンスクリプトだけでも6回に渡って、イベントごとに分解して解説してきたが、難しかっただろうか。これをおおよそ理解できれば、少しだけLSLに慣れてきた証拠だ。
「イベント」や「ステート」、「関数」や「組み込み」の概念、さらには「演算子」や「if〜elseによる条件と場合分け」などいろんな要素が詰まっているのでぜひ、がんばって欲しい。
次回からはLSLを離れて、「ジェスチャー」と「アニメーション」の作り方へ入ろう。新たなる展開だ。それでは、次回もお楽しみに
(編集部からのお知らせ:2007年2月15日より連載が始まった「Second Life 新世界的ものづくりのススメ」は、次回からブログとして再登場します。ブログの開始は2月28日を予定しています。お楽しみに)

大槻透世二サイバーアドベンチャー(株)
代表取締役社長/CEO
デジタルハリウッド大学院
次世代インターフェース研究室 研究員
Second Life研究室 研究員/プロデューサー
Linden社推薦 Second Lifeセミナー講師
東北大学心理学専攻卒業。1年間のLA留学を経て、ソリッドレイ研究所でバーチャルリアリティのシステムインテグレーション、立体映像システム構築、HMDシステム構築などを経験。IT系コンサルティング会社を経て、デジタルハリウッド大学大学院コンテンツマネジメント修士課程修了(MCA)。その後、Linden Lab本社にてSecond Lifeカリキュラムのトレーニングを受ける。現在デジタルハリウッドにて「Second Life」セミナーを開催。また、バーチャルリアリティ、メタバース関連のシステム開発/プロデュースを行うサイバーアドベンチャー(株)を設立し、そのCEO職に就いている。