「われわれが思うに、Microsoftの役員会は、インターネット検索と広告の分野で支配権を得ることに重点を置いているのだろう。Microsoftはこの分野に大金を投じてきたが、大成功にはいまだ至っていない。Yahooの買収は、この分野で重要なプレーヤーになるための最善策だ」(Katz氏)
Yahooは、News Corp.やAOLと交渉中だと報じられている。だが、Katz氏は、Yahooが大局的な見地から正しいことを早めに実行し、企業価値に貢献することを願っていると話す。同氏は、Yahooが態度を決めかねている期間が長びくほど、同社の価値は下がる、と指摘した。
The Wall Street Journal紙の報道によると、YahooとNews Corp.は、人気の高いソーシャルネットワークサービス(SNS)の「MySpace」をはじめとするFox Interactive Media傘下のウェブサイトなど、News Corp.の資産の一部と交換で、News Corp.がYahooの大量の株式を取得する方向で交渉中だという。
一部の観測筋は、News Corp.以外にもYahooに関心を持っているメディア企業があるかもしれないとみている。
この件に詳しいある情報筋は、報じられているNews Corp.とYahooの交渉に関して、「近い将来、他の大手メディア企業2、3社と同様の(話し合いが)行われると、私は確信している」とCNET News.comに語った。だが、たぶんこうした企業が足を引っ張ることはないだろうとの見方を示し、「大きな意味を持つとは考えにくいが、何らかの動きはあるだろう」と述べた。
プロクシーソリシターらによると、YahooとMicrosoftがYahooの株主を評価する際に注意を払うのは、誰が両社の株を保有しており、どちらの株が重視されているのか、各投資会社が議決権の問題をどのように処理する傾向があるか、たとえば、議決権をファンド別に行使するのか、それとも一企業として行使するのか、などといった点だろうという。
こうした分析が完了すれば、提示額を引き上げるか、株式公開買い付けを行うか、あるいは取締役のポストをめぐって委任状争奪戦を開始するかを検討するという困難な仕事が始まる、とプロクシーソリシターらは話す。
委任状争奪戦や株式公開買い付けを行えば、戦いは8カ月ほど続く可能性があり、その間にYahooは多くの従業員を失い、両社とも不安定な状況に置かれる、とプロクシーソリシターらは指摘する。
あるプロクシーソリシターは、「お金には時間的価値というものが存在する」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ