Mozilla新組織「Mozilla Messaging」のCEOが語るThunderbirdの未来 - (page 2)

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、長谷睦

2008-02-19 21:35

Mozilla Messagingという社名に込められた意味は

 Mozilla Messagingが目指しているのは、単なるメールクライアントにとどまらない。同社の社名はその高い目標を表すものだ。

 ThunderbirdにはRSSフィードやニュースグループを購読する機能がすでにある。しかし、最終的にAscher氏が望んでいるのは、Thunderbirdをインスタントメッセージングや携帯電話のテキストメッセージング、さらに独自の電子メールシステムを持っているFacebookやFlickrなどのウェブサイトにも対応させることだ。

 こういったサイトの多くは、少なくとも現時点ではサイト内の電子メールシステムを他社に開放していないが、ウェブとの密接な連携によってその障壁を回避できる可能性もある。Ascher氏は「ThunderbirdはFirefoxと同じプラットフォーム上で開発されているため、ウェブを簡単に利用できる」と述べている。

 同氏は、さまざまな実験的取り組みなどを行うことにより、Thunderbirdがそのような可能性を開いてくれることを願っている。

 Ascher氏は「Thunderbird 3.0には、必ずしも表立って現れないとしても、拡張機能の開発に役立つ技術を数多く搭載する」と語った。

 さらに同氏は、スパムのフィルタリングやフィッシング対策といったセキュリティ関連の技術も、実験が大きな成果を生む分野になりうると指摘した。Firefoxにはブラックリストを利用したセキュリティ機能があり、受信者をだまして偽のサイトに誘導し、パスワードなどの秘密情報を入力させようとするフィッシングメールからユーザーを守っている。「Firefox 3で使用しているフィッシング検知技術を利用して、そういった機能をThunderbirdに組み込むことは可能だ」とAscher氏は言う。

 インスタントメッセージングに関して、Ascher氏が注目しているのは「Jabber」や「Gooogle Talk」が使っている「Extensible Messaging and Presence Protocol」(XMPP)というプロトコルだ。同氏は、「いつかはThunderbirdでもこういった技術が利用できるようになるかもしれない」と述べた。

 しかしながら、3.0の開発でさしあたって優先すべきは、現行の「Thunderbird 2.0」の検索機能を改善してカレンダー機能も追加し、Thunderbirdの使い勝手をさらに向上することだと、Ascher氏は語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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