ウェブの問題点を解決する
アクシスソフトのビジネスの根幹にあるのはウェブのテクノロジーである。
社長の永井一美氏は「当社はプロダクト事業とソリューション事業の2つを手掛けていますが、いずれもそのベースにあるのはウェブです。クライアント/サーバ(C/S)やホスト系、オフコン系といった分野はいっさい手掛けておりません」と、非常に分かりやすい言葉で会社の姿勢を説明してくれた。
インターネットが彗星のごとく登場し、いっせいに業務システムのウェブ化が始まったのは1990年代後半。当時はウェブの利便性は十分認識されながらも、それによって生産性の高い業務システムを構築することは困難だった。
「ウェブで業務システムを構築するためには、さまざまな問題があったのです」と永井氏は述懐する。まず挙げられるのが、ウェブのレスポンスと操作性だ。
ウェブブラウザのレスポンスでは、基幹業務のようにデータ入力とその結果表示が連続する業務には対応できない。操作性もウェブの大きな問題として浮上した。キーボード・フォーカス制御やファンクションキーの割り当てなど、C/Sシステムでは当たり前の機能もウェブブラウザで実現するのは難しい。
同社はまず、このようなウェブが抱えるレスポンスと操作性という課題を解決するソリューションとして、リッチクライアント製品「Biz/Browser」を投入する。Biz/Browserは同社の看板商品だが、しかしウェブで業務システムを構築するためには、まだハードルがあった。それが印刷である。こうした印刷の問題を指摘するのは、同社プロダクト事業本部営業本部副本部長兼マーケティング部長の西村修氏である。
「ウェブは画面を表示するHTMLだけで、そもそも印刷というものを念頭に置いていないという部分があります。特に帳票といった考えがありませんので、日本で業務システムを構築する場合は、この部分を解決するソリューションが不可欠なのです」
ウェブの世界では帳票印刷という問題を解決するソリューションが必要であり、ウェブに特化した企業、アクシスソフトにはそのソリューションを提供するという命題がつきつけられた。そこで同社が開発したのが「Biz/PrintServer」と「PrintStream Core」という製品だ。