Blu-ray Disc陣営は、プレーヤーメーカーとディスクメーカーへのライセンス供与に関して、DVD Forumよりも慎重にことを運ぶだろうと、調査会社Envisioneering Groupの主席アナリスト、Richard Doherty氏は予測する。また、映画会社がHD DVDよりBlu-ray Discを気に入った理由の1つは、おそらくHD DVDのほうが違法コピーを作りやすかった点にあるのだろうと、Doherty氏は説明している。
ただし、調査会社Gartnerのアナリスト、Van Baker氏は、Blu-ray DiscがDVDほどのもうけになるとは考えていない。まず、Blu-ray Discが競争を強いられることになるデジタルダウンロードサービスのほうが、消費者の人気を集める可能性がある。さらに、映画会社がロイヤリティーの引き下げを迫っている。
「この件では、交渉が繰り返されている。DVDのときほどよい話にはならないだろうと私は予測している」とBaker氏は語る。
Blu-ray Discのロイヤリティーの基準はわかっていない。Blu-ray Disc陣営は、今のところさほど強引なロイヤリティー徴収姿勢は見せていないが、業界の動きが活発になれば行動を起こす可能性はある。
Blu-ray Discのロイヤリティーは、いくつかの企業で分け合う形になるだろうと、Doherty氏は指摘する。
Blu-ray Discの誕生にかかわった企業は多い。「ソニーの規格だと言う人が多いが、われわれの試算では、ソニーは知的所有権(IP)の30%も所有していない」とDoherty氏は言う。IP所有者のトップ4は、ソニー、松下電器産業、パイオニア、それにWarner Bros. Entertainmentとみられている。
HD DVDとBlu-ray Discの両規格に対応したプレーヤーがメーカーから発表されるまでに長い時間がかかったのも、ロイヤリティーが大きな理由の1つだった。両規格対応のプレーヤーを作るには、両陣営から技術ライセンスを受ける必要があるため、コストが跳ね上がるのだ。
2006年、当時Philipsの家電部門で最高経営責任者(CEO)を務めていたRudy Provoost氏は、CNET News.comの取材に対し「非常にたくさんの企業がかかわり、たくさんの知識が投入されている。Philips、東芝、ソニーといった企業はどこも、投資が回収されることを期待している。それがはげしい論争になっている理由だ。CDの時代と同じで、どこも正当な見返りを求めている」と語っていた。
ようやく登場した両規格対応のプレーヤーは、別々の専用プレーヤーを両方購入するよりも高価な製品になっていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ