#8:ドゥクス・レルクタンティス(Dux Reluctantis)
しぶしぶリーダーになったリーダー。
何年もうまく機能してきていたチームを対象としたレビューが行われ、「チームリーダーは誰なんだ?」という質問が発せられた。そして、その答えは上司の気に入るものではなかった。
「どんなチームにもチームリーダーが必要だ」--これで議論は終わった。
チームリーダーが公募されたものの、誰も乗り気ではなかった。チームの力学が危機に瀕しているなか、誰もこれ以上波風を立てたくないと思っていることは明らかだった。とは言うものの、やがて1人の人物に白羽の矢が立てられ、インタビューを経てチームリーダーに任命された。インタビューにおけるお定まりの質問「どうしてこの仕事をやりたいと思ったのか?」に対する答えが「本当はやりたくない」というものであっても、会社側はチームリーダーの任命を見合わせようとはしなかった。
また、ドゥクス・レルクタンティスは、彼に潜在能力を100%発揮させるためには何かに挑戦させる必要があると考えた人事担当者によって任命される場合もある。
よく口にするセリフ:「君がそれでよいのであれば・・・」
#9:ドゥクス・ミノリス(Dux Minoris)
劣っているリーダー。
Simon Travaglia氏の著した、IT業界の面白いいたずら話集であるBOFH(The Bastard Operator From Hell)シリーズに登場する、Pimply Faced Youth (PFY)がまさにこういったチームリーダーだ。
彼はやる気があるものの、狡猾なセクションマネージャーのせいで悪しき世界に足を踏み入れているのだ。彼は、会計担当者を騙すさまざまなイカサマや奸計に加担させられ、必要とあらば不活性ガス消火システムを使って邪魔者をこっそり始末するのもいとわない。
現実的に考えると、こういったキャラクターは本来の道を簡単に踏み外し、奸計が失敗に終わったときに進退窮まる立場になってしまう。彼の下で働くことはとても楽しいものの、サーバルームに1人で入る際には必ず、閉じ込められることのないよう、肌身離さず鍵を持っていなければならない。
よく口にするセリフ:「Illegitimi non carborundum…」(えせラテン語で「嫌な奴に虐げられたままでいるな」の意味) であり、そのことを示したようなTシャツを持っている。
#10:ドゥクス・セウェルス(Dux Severus)
真面目なチームリーダー。
チームメンバーによっては、昇進が決まるとうぬぼれてしまうことがある。
一緒に働いていた社交的で気楽な友人はいなくなり、口うるさい人間に豹変するのだ。トイレ休憩を30分もとっていた人物が突然、あなたの休憩時間を計測するようになり、4分以上かかった場合には嫌みを言うようになるのだ。彼は、トイレ休憩がしばしば非公式の休憩時間として使われ、トイレがヘルプデスク担当の同僚とオフィスの噂話をする場となっていることを知っているため、胃腸の調子が良くないという言い訳は彼には通用しない。
よく口にするセリフ:「なにごともきっちりやっていくぞ」
これは傲慢なタイプの典型である。「身分が高い者としてのしゃべり」というものはいつも、ものごとがうまくいかなくなる兆候なのだ。