--企業のVista採用はMicrosoftの予想よりややペースが遅れています。Windows Server 2008の採用サイクルはどのようになると考えていますか。
Muglia:大切なことは、企業が新しいサーバをどのように採用するのかを理解しておくことです。企業は自社のデータセンタ内に(すでに)大量のサーバを抱えていますが、そうしたサーバが大量にWindows Server 2008にアップグレードされるとは、じつのところ考えていません。Windows Server 2008で重要なポイントの1つは、「Windows Server 2003」が混在する環境はもちろん、「Windows Server 2000」が混在する環境であっても動いて、よき隣人になれることです。ですから、顧客が新しいサーバを設置する場合には、配備されるサーバの大部分がWindows Server 2008になると見込んでいます。実際、Windows Server 2003のときには、かなり急速に導入が進んでいくのを目の当たりにしました。
--Windows Server 2008のリリースは、サーバ市場全体の成長スピードにどの程度影響するとの感触をお持ちですか。影響はないでしょうか、それとも促進剤となるでしょうか。
Muglia:Windows Server 2008の投入によってサーバ機器の出荷台数に大きな変化があらわれるとは考えていません。サーバ市場は引き続き大きく成長していますし、今のところWindows Serverは市場全体を大きく上回る勢いで成長しています。
--経済がさまざまな問題に直面し、IT支出全般への懸念が出てきています。これに対するご自身のお考え、また、米国経済の減速が御社のビジネスに与えうる影響についてお聞かせください。
Muglia:われわれは世界規模でビジネスを展開しているため、米国はわれわれの売り上げの一部を占めているにすぎません。将来的な成長については、とても強い期待を抱いています。そうですね、わが社が携わっているようなビジネス分野を眺めてみても、IT関連支出全般に占めるわれわれの割合はまだ小さなものです。IT支出が減るか、これまでのようなスピードでは増えなくなるとしても、Microsoftがビジネスを拡大するチャンスはたくさんあるのではないでしょうか。
--最近大きな注目を集めている分野に、仮想化があります。また、仮想化技術のハイパーバイザーがハードウェアに組み込まれるようになるという話も耳にします。この分野ではVMwareやオープンソースのXenの取り組みが知られていますが、Microsoftでは何かお考えですか。
Muglia:「Hyper-V」を単体のソリューションとして提供していくことはすでに表明しているため、あとはわれわれの(ハードウェア)パートナーがどうするかという話になります。実際、この件については話を進めていることは確かです。計画では、Hyper-Vの単体版は、Hyper-Vの製品版と同時にリリースすることになっており、同機能を備えたWindows Server 2008のリリースから180日以内、つまり2008年の8月初めになる予定です(最新情報:Microsoftが26日に明らかにしたところでは、Muglia氏の話は誤りで、単体版のHyper-Vの出荷は、さらに先の2008年下半期になるという)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ