昨日のApple「iPhone」のソフトウェア開発のニュースに続き、iPhoneをめぐっては3G対応、キャリアの独占性、予測される販売時期に関するニュースがあちこちで浮かび上がってきた。
最初に、UBSのアナリストNicolas Gaudois氏は、AppleがInfineon製のモデムチップを使用した3G対応iPhoneの発売を2008年中ごろに予定しているというリサーチノートを掲載した(これを見つけたのはAppleInsiderなどだ)。3G対応モデルはかねてから2008年のどこかの時点で登場すると見られていたが、これで欧州の顧客やビジネス向け機種に対する立場を強化することができるかもしれない。
2つ目に、Appleの最高執行責任者(COO)のTim Cook氏がラスベガスで開催されたGoldman Sachs Investment Symposiumで講演し、iPhoneの2008年の販売台数は1000万台であるというAppleの目標を繰り返し強調したことだ。過去数週間にわたって複数のアナリストがAppleは後退する経済のあおりを部分的に受けて目標を達成できないとの予測を発表していたが、これは懸案となっていたエンタープライズ向けアプリケーションが来週にも発表される予定であるというニュースが公表される前のことだった。
Cook氏はまた、Appleがこれまで米国、英国、ドイツ、フランスでとってきた独占的なキャリアの展開戦略に「固執」しているわけではないと述べた。これはつまり、Appleがこれらの国々で他のキャリアの追加を検討していることを言外に意味することになるのかもしれないが、筆者はいまだにAppleがVerizonやSprintのネットワークで使用できるCDMAベースのiPhoneを近い将来にリリースする可能性は低いと考えている。また、この発言はCook氏がすでにAppleが囲い込んでいるキャリアからより多くの売上高の分配を得ようとしていることも暗に意味しているのかもしれない。
これら3つの要因が組み合わさり、複数のキャリアで使用できる可能性のあるビジネス指向の3G版iPhoneの発売が期待されることから、潜在顧客はAppleに対して再び関心を寄せているようだ。過去数週間で下がっていたAppleの株価は28日に5%上昇し、失業率上昇のために全般的に低迷している市場の中で善戦している。
Appleの動向を追いかけるのはテニスの試合を観戦するようなものだ。またはホッケーの試合の方が近いかもしれない。全員がリンクの一方の側に殺到していたかと思うと、次の瞬間にはリンクの反対側で動き回っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ