#6:仮想化によってセキュリティを強化することができる
複数のサーバアプリケーションを同一のOSインスタンス上で実行するのではなく、個々のサーバアプリケーションを切り出して、それぞれを独立した仮想マシン上で実行することで、セキュリティを強化することができる。仮想マシンの設定によって隔離された環境(「サンドボックス」と呼ばれる)を構築し、セキュリティ上のリスクとなる可能性があるアプリケーションをそこで実行するのである。
また、仮想マシンは「ハニーポット」や「ハニーネット」を構築するためにもよく使用される。これらは、攻撃者をおびき寄せる(また同時に、彼らの目を本物の本番リソースからそらす)目的で構築される、疑似本番環境のシステムやネットワーク全体のことである。
#7:仮想化によって可用性が高まるとともに、災害復旧をスムーズに行えるようになる
仮想マシンイメージのバックアップを取得しておき、それを復元するという方法は、OSおよびアプリケーションの再インストールを行った後でデータの復元を行うという従来の災害復旧方法よりもずっと簡単かつ迅速である。仮想マシンイメージは同じ物理マシンにも、あるいはハードウェア障害の際には別なマシンにも復元することができる。停止時間が短いということは、より高い可用性と生産性が見込めるということを意味している。
#8:仮想マシンはより多くのリソースを必要とする
これは当たり前のことかもしれないが、同時に稼働する仮想マシンの数が増えるほど、そのマシンに必要となるハードウェアリソースも増加することになる。稼働している仮想マシンとそのゲストOS、およびアプリケーションそれぞれがRAMとプロセッササイクルを消費するため、より大容量のメモリと、より高速なプロセッサを用意し、各仮想マシンに適切なリソースを割り当てる必要があるだろう。
大量のリソースを必要とする複数のサーバを1台のマシン上で実行するには、複数のプロセッサと大容量のRAMをサポートすることのできるハードウェアを備えたマシンが必要となり、こういったものを扱えるホストOSを用意する必要もある。