M&Aの達人になるために:交渉失敗の4つの原因

文:Geoffrey James
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル

2008-03-04 12:00

取引失敗の原因となるよくある4つの要因

 合併交渉はめったに予測した筋書き通り進むことはないものだが、それでも大型案件が頓挫するあらゆるケースに共通して見られる問題がいくつか存在する。以下に最も多く見られる4つの落とし穴とそれを避ける方法について説明する。

問題1:不合理な前提条件

例:買収される側の最高経営責任者(CEO)が、合併後の企業を経営する権利を保証してくれなければ合併を認めないと言い出す。

リスク:この要求が口先だけでなく本気の場合は、取引が成立しなくなる。

回避方法:交渉の冒頭で、最終的に取引を成立させるためにはすべての事項を協議中に提出しなければならないことを明確にしておく。

問題2:戦略的な情報リーク

例:まだ買収金額を交渉中の段階で、業界紙の記事に最終的な買収金額は交渉しているレンジの高い方で決まるだろうという「事情に詳しい筋」の話が掲載される。

リスク:双方の信頼関係が失われる。

回避方法:交渉チームをなるべく少人数にするように主張する。交渉に入る前に、早すぎる情報リークがあれば協議そのものを中止する場合があることを指摘する。

問題3:遅延戦術

例:あなたが実質的な交渉をしたいという段になって、売り手側の交渉チームの主要人物の都合がつかない。

リスク:売り手側の企業は意図的に交渉プロセスを遅らせている可能性がある。おそらく別の買収案を引き出そうとしているのだろう。

回避方法:交渉を始めるときに、両当事者が合意した明示的なスケジュールを設定しておく。

問題4:メンバーの頻繁な入れ替え

例:相手側の交渉チームの顔ぶれが会合のたびに変わる。

リスク:新しく交渉チームに加わった人は、すでに合意済みの項目をいとも簡単に取り消してしまうことがある。

回避方法:初回の協議に先立って、双方の交渉チームのメンバーを変えないという約束を取り付ける。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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