Microsoftのブラウザ用プラグインである「Silverlight」が2008年中にはNokia製スマートフォンにビデオなどのリッチメディアをもたらすことになる。
両社は米国時間3月4日、Microsoftの「MIX08」カンファレンスで、MicrosoftがNokiaのSeries 60(S60)スマートフォンソフトウェア(Symbian OS上で動作)対応版のSilverlightを作成することを発表した。2008年中にリリースされるこのソフトウェアは、「Series 40」やNokia製のインターネットタブレットでも動作するようになる予定だ。
互換性のある機器を使用しているユーザーにとっては、Adobeの「Flash Player」の代替技術としてMicrosoftが推進しているSilverlight向けに開発されたコンテンツ、特にビデオを見ることができるようになることを意味する。Microsoftはコンテンツ提供パートナーとメディアストリーミングにSilverlightを使用する契約を結んでいる。提携先にはMLB.com やオリンピック競技をオンラインで放送するNBCも含まれている。
MicrosoftにとってNokiaとの提携は、Silverlightを「ユビキタスな」技術にする(複数のOSで動作可能にする)という公約における1つのステップとなる。
Microsoftは、ウェブ開発者がリッチなインターネットアプリケーションやメディアを駆使したウェブサイトを構築する技術としてSilverlightを採用するように(そしてFlashを採用しないように)手を尽くしている。
この戦略は2007年のMIXカンファレンスで詳細が発表されたものだが、そのためには従来のMicrosoft系の開発者が「Visual Studio」や「ASP.Net」のような慣れ親しんだ製品でSilverlight対応ウェブアプリケーションを開発できるツールを作成する必要がある。
Silverlightは現在WindowsとMac OS上で動作するが、NovellとはLinux対応版を開発する契約を結んでいる。
「Windows Mobile」版のSilverlightは2008年中にリリースされるとMicrosoftのデベロッパー部門でゼネラルマネージャーを務めるJohn Case氏は述べている。「Silverlight戦略は、1つのプログラミングモデルとユビキティを実現することを全体的な目標にしている」(Case氏)
MicrosoftがNokiaとの提携を選択した理由は、Nokiaが携帯電話市場で最大のシェアを握っている点にあるが、Silverlightの複数の移植版を作成するために他の端末メーカーとも契約を結ぶ予定だとCase氏は述べている。
すべてのモバイル版には、ビデオやインタラクティブなウェブアプリケーションの開発などSilverlightの主要な機能がすべて取り入れられる予定だ。
しかし、一部にはデバイス固有の制約も出てくることが予想され、Microsoftは異なるモバイルプラットフォームに対応した複数のエディションのSilverlightを作成することになるだろうとCase氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ