活用シーンが広がっている
メールの普及やウェブアプリケーションの流行によって、一見すると帳票の存在は薄れつつあるように思える。しかし、実際には仕事や生活の至る所に帳票はあふれているのである。存在が薄れつつあるどころかむしろその守備範囲を拡大させていると言える。
社内業務で使われるたとえば売上明細書も帳票であり、企業間で取り交わされる請求書のたぐいもそうだ。身の回りに目を転じてみても、健康保険証なども帳票の一形態であり、個人情報などを送付する圧着ハガキも帳票の仲間であり、コンビニエンスストアなどで扱われるバーコード付きの振込伝票も帳票だ。
こうした状況から、日立製作所 ネットワークソフトウェア本部第1アプリケーションソフト設計部主任技師の三堀潔氏は「帳票はいろいろなところで使われており、活用シーンが広がっている」と話す。すなわち、帳票は金融や流通、産業、公共に至るまでさまざまな業種において欠かすことのできない、なくてはならないものになっている。と同時に、取り巻く環境の変化によって、その形態も進化しているのである。
今や業務システムはウェブ環境が前提となっているために、帳票の形態は紙媒体から電子媒体へと進化している。つまりは、データ入力業務や申請業務などにおいて、従来の手書きによる紙という形態の申請から、ウェブ上での入力による電子申請という変化だ。
帳票に求められるのは、こうした環境変化に対応することだけではない。帳票の出力性能への要件も変わってきている。たとえば、バッチ処理でのセンターサーバでの大量印刷、オープン環境による各拠点での分散印刷など安定した帳票出力も重要な業務になっている。
日立製作所が提供する帳票システム構築支援ソフト「EUR」シリーズは、現在の帳票に求められる、そうした要件に対応できるミドルウェア群だ。その名称は、“End User Reporting”というコンセプトに由来している。