帳票の入り口から出口までのすべてをカバー--日立製作所:実は重要な帳票(7) - (page 2)

田中好伸(編集部)

2008-03-06 10:30

プログラミングの要素を入れない

 EURは帳票システムを構築する際に支援を行うというものであり、その目的は、帳票に関する業務のさまざまな課題やニーズに応えるというところにある。そのひとつが、「本格的な帳票を専門知識なしに簡単に設計したい」という帳票設計だ。

 帳票設計時に活用されるのが、帳票定義開発環境である「EUR Professional Edition」である。その特徴について三堀氏は、「基本コンセプトとして、作る人が設計・変更することを踏まえて、プログラミングの要素を入れないようにしてあります」と説明する。

 EUR Professional Editionでは、印刷イメージのプレビュー画面を見ながら、プログラミングしなくてもWYSWYG感覚で帳票を設計できるようになっている。つまり「特別なスキルがなくても、誰でも作れる。帳票の仕様変更が発生してしまっても、容易に変更できるようになっている」(三堀氏)。またEUR Professional Editionでは、ExcelやWordといった普段使い慣れたソフトで作成した帳票を、EURの帳票定義ファイルに自動変換するツールもしている。

 EUR Professional Editionで開発できる帳票はさまざまな種類に及ぶ。たとえば、多角形で複雑な図形が必要となる、複雑なレイアウトの自動車保険事故報告書、保険会社向け/代理店控え/契約者控えの3枚組で印刷される保険加入申込書、バーコード印刷に対応した、コンビニエンスストアなどで扱われる振込伝票など、対応範囲はかなり広いと言える。

 EUR Professional Editionの用途は、帳票定義開発だけではない。データ入力業務や申請業務に使うことのできる電子フォームを設計するにも活用できるのである。ここでもやはり、WYSWYG感覚で電子フォームを設計できるようになっている。

いかに効率的に出力・配布すべきか

 帳票は作ってしまえば終わりというものではない。それをいかに出力・配布していけばいいのかということの方がより重要だ。EURでは、バッチ処理での帳票出力、ウェブでの帳票出力、帳票イメージによるウェブデータ入力などの運用に対応している。

 バッチ処理での帳票出力は、サーバからの大量印刷やPDF帳票出力、クライアントからの印刷などに対応しており、帳票の出力量に応じたソリューションを提案できるとしている。

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