#3:無償ツールの価値を過小評価すべきではない
「VMware Server」や「Citrix XenServer Express Edition」、「Microsoft Virtual Server 2005」のような無償の仮想化製品を利用することは、仮想化環境を体験し、基本的なテストやパフォーマンスのベンチマークテストを行ってみるための優れた方法である。よく見かけるもう1つの用途として、1台のマシン上で一括して実行することのできないリモートシステムのために無償ツールを利用するというものがある。1台の物理サーバ上に無償の仮想化製品をインストールし、仮想マシンを複数稼働させるという戦略は、堅牢な仮想化ソリューションの採用が現実的ではない状況において採ることのできる堅実なものである。
一般的に言って、無償の製品ではエンタープライズスイートに搭載されているような管理ツールは提供されていない。しかし、無償の製品でも、ツールを購入することで管理機能を充実させることができる。例えば、無償の仮想化エンジンを管理したいという場合には「VMware VirtualCenter for VMware Server」を検討してみてほしい。
#4:管理ツールが鍵となる
私見であるが、基本的な仮想化テクノロジは最終的に、仮想化ハイパーバイザー技術ではなく、ハードウェアリソースに依存した必需品になっていくだろう。このため、管理ツールは仮想化テクノロジにまつわる意志決定の原動力となるだろうと考えている。パッケージを決定するにあたっては、ストレージ管理やネットワーク管理、マシンの移行、高可用性、効率の高い設定オプションといった点において最も豊富な選択肢を提供するものが有力候補となるはずだ。
#5:OSを不要にすることもできる
近い将来、仮想化プラットフォームはOSすら必要としなくなる可能性がある。実際、そういった仮想化プラットフォームは既に存在しているのである。「VMware ESX Server 3i」は、フルインストールの「VMware ESX Server 3」と同じ機能を提供しながらも、リソースは32Mバイトしか必要としていない。同製品は間もなく、サーバシステムに統合されたかたちで提供されるようになるはずだ。これにより、インストールされているOSによってセキュリティ上の問題が引き起こされるというリスクが低減することになり、ホストシステムのすべての設定を管理パッケージにまかせることも可能になる。