#8:アプリケーションの仮想化によってメリットを享受する
アプリケーションの仮想化は、「Citrix MetaFrame」や「Citrix Presentation Server」といった製品(訳注:現在は「Citrix XenApp」として提供されている)を使用したことのある人にとっては馴染みのあるものだろう。しかし現在では、単純なプレゼンテーションモードの範疇を超えてアプリケーションを仮想化する新たなテクノロジが利用可能になっている。アプリケーションの仮想化とその他の仮想化との大きな違いは、処理という観点から見た場合に、アプリケーションの実行がすべてカプセル化され、クライアント側で行われるという点にある。アプリケーションの仮想化では、バックグラウンドでプロセッサリソースを提供するサーバなど存在しないのだ。ただし、どのアプリケーションをクライアント側で実行するのかについては、ポリシーで定義することになる。つまり、アプリケーション用のパッケージはクライアントに提供され、その環境がローカル上で仮想化されるわけだ。このようにすることで、アプリケーションを配信するためのハードウェアリソースを中央で一元的に集約しておく必要がなくなるのだ。
#9:仮想マシンの蔓延に注意しておく必要がある
仮想化が一般的になってくると、仮想マシンの蔓延という新たな現象が出現する可能性もある。これはある意味において、組織の仮想環境への移行を支援する優れたツールが利用可能になったことでも加速されている。P2V(物理マシンから仮想マシン)移行ツールのお陰で、管理者は仮想環境へのサーバの移行を容易に行えるようになったため、システムに必要なものと不必要なものを決定するというプロセスを省略してしまいたいという誘惑にかられる可能性があるのだ。また、こういった状況において、仮想環境に移行する前に、自らのOS環境が必要とする物理システムを見直すことが求められた場合、そういった作業が永遠に完了しないことも考えられる。
#10:多くのことを再検討する必要がある
仮想化の導入規模に応じて、インフラにおけるある種の要素を再検討する必要が出てくるはずだ。バックアップや復元、ストレージ管理、ネットワーク接続性、サーバのビルドプロセスといった話題すべてについて、仮想世界に飛び込む前に取り組んでおく必要があるのだ。そして、すべての面倒なこととは別に、さまざまな状況において、ハードウェアを効率的に利用し、災害復旧要件を満たし、サーバハードウェアを節減し、中央での一元管理レベルを向上させるということが、正しい方向となることは言うまでもない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ