Oracleの組込DBへの取り組み
Oracleでは、“すべてのユーザーのすべてのアプリケーションが必要とする完全なデータ管理機能を提供する”ことにコミットしています。そのためにも、Oracleは複数のデータベース製品を揃えています。
Oracle Databaseは、豊富な機能性を備えた、代表的なRDBMSで、パフォーマンスとスケーラビリティには特に強みがあります。
一方組込系では、TimesTenはアプリケーションティアで動作させることができ、Oracle DBと連携することでOracle DBを補完し、瞬時にレスポンスを返すことができます。また、Berkeley DBはトランザクショナル・ストレージ・マネージャと位置づけられる製品です。Berkeley DBでは、データ管理機能は提供されますが、SQLはサポートしません。アプリケーションが、複数のユーザーが同一レコードに同時にアクセスしたり更新したりするといった状況に対応する必要がある場合、独自のデータストアを用意するよりも、Berkeley DBを使ってデータ管理機能やトランザクション処理、高信頼性を実装すればメリットが大きいでしょう。
最後に、Oracle Liteはフットプリントの小さなRDBで、主にモバイルユーザーを対象とした製品です。リソースが限られた小さなデバイスに組み込むことができ、オンライン/オフラインのどちらでも利用可能です。オンラインに復帰したときにはオフライン時に更新された情報を、同期機能を使ってOracle DBのデータと同期させることができます。携帯電話やPDAに内蔵するような場合にも対応できます。
Oracleが提供するデータベース製品は幅広くさまざまな要件をカバーし、かつすべてが協調して動作することができます。これによりOracleは、ユーザーやアプリケーションが必要とするデータ管理機能すべてに対応する完全なスペクトラムを提供することができるのです。
TimesTenの市場は、大きく「組込」と「エンタープライズ」に分かれます。組込では、アプリケーションのデータストアとして利用され、具体的にはテレコム業界向けの課金管理アプリケーションなどで利用されている例があります。一方、エンタープライズ市場では、Oracle DBの前段に配置してキャッシュとして利用し、高速なレスポンスを実現する、という用途が大半です。