#3:ディレクトリ階層
これは、私をずっと悩ませてきた問題の1つである。すべてのディストリビューションが従うことを要求される標準というものがあってしかるべきなのである。しかし、現状ではそんなものは存在しない。例としてinitシステム(初期化システム)を採り上げてみよう。これはFedoraベースのシステムでは/etc/rc.d/init.dに格納されている。しかしDebianベースのシステムでは/etc/init.dに格納されているのだ。Linux Standards Baseでさえ、初期化システムがどこに格納されるべきかを定義していないのである。しかし、それでもあなたは自身の標準というものを持つことになるはずだ。私はFedoraからUbuntuへと乗り換えた際に、/etc/rc.d/init.d/mysql startと入力する代わりに/etc/init.d/mysql startと入力するようになるまでにしばらくかかった。1つのものに慣れているのであれば、それを使い続けるか、「command not found」エラーが何度か返ってくることを覚悟しなければならなくなる。
#4:デスクトップ環境
好きなデスクトップをインストールすることができるとはいえ、OSをインストールするだけですぐに使い始めたいというユーザーもいる。その場合には、あなたの好きなデスクトップ環境に力を入れているディストリビューションを選択するのが良いだろう。GNOMEにしたいのであれば、Fedoraを選択しよう。GNOMEがデフォルトになっているディストリビューションリリースの一覧はここで確認することができる。また、KDEにしたいのであれば、KDEがデフォルトになっているディストリビューションリリースの一覧をここで確認することができる。もちろん、選択肢はGNOMEとKDEに限られているわけではない。私が好きなのはEnlightenmentだ。Enlightenmentをデフォルトにしたディストリビューションとしては、EliveやgOSがある。
好きなデスクトップをインストールすることができるとはいえ、それは常に簡単であるとは限らない。依存性の解決や、KDE4をインストールするための追加リポジトリの特定に時間を割きたくないというのであれば、あなたの好きなデスクトップがデフォルトとなっているディストリビューションを選択すべきである。
#5:セキュリティ
LinuxはほとんどのOSよりもセキュアであるものの、すべてのディストリビューションが同様にセキュアというわけではない。事実、セキュリティを第一目標に掲げるディストリビューションが存在しており、例えばTrustixは、すべてのLinuxディストリビューションの中で最もセキュアであると主張している。とは言うものの本当のことを言えば、正しく設定されたLinxuディストリビューションこそが最もセキュアなものなのである。ただ、「インストール直後の状態」でセキュアなLinuxを望むのであれば、TrustixやEnGarde Linux、Bastille Linuxといったディストリビューションに限定されてくるだろう。