まだ利益が出ていない
かつて新興企業をVeriSignに売却して得た富からUbuntuに資金提供したShuttleworth氏は、ビジネスの成功を重視する一方で、Canonicalが新しい分野(Hardy Heronで本格的に開始したモバイル版など)にも進出できるように引き続き資金面で支援したい意向だ。
「Ubuntuは今後もわたしや他の人々からの出資を必要とするだろう。われわれはCanonicalを持続可能な企業にするための順調な軌道に乗っている」とShuttleworth氏は語っている。しかし、いつごろ利益が出ることを期待しているのかについては語ろうとしない。「わたしは束縛されたくないのだ。(中略)投資に適したその他の分野を探し続けている」(Shuttleworth氏)
しかし、Shuttleworth氏にとって驚きなのは、デスクトップLinuxの方がサーバ版よりも金銭的に重要であるという点だ。
「デスクトップ版はサーバ版よりもCanonicalの業績に貢献している」とShuttleworth氏は述べる。サーバ事業は依然としてCanonicalにとってサポート売り上げの主要な対象である。しかし、同社はデスクトップと家電組み込み版から収入を得ているのだと同氏は語った。
「ユーザーはCanonicalに対して潜在的な著作権や特許権の侵害の問題に対する保障を提供してくれることを望むようになっており、それに伴ってデスクトップではカスタムエンジニアリングや保証プログラムに対する要求が高まっている」(Shuttleworth氏)
Canonicalはまた、コンシューマーエレクトロニクス企業向けのノーブランドLinuxにも取り組んでいるが、Shuttleworth氏はそうした企業が最終的にはUbuntuのようなLinuxを選択してくれると期待している。「ハードウェアベンダーは独自のOSを開発できるようになることを目指しているが、わたしは時間の経過とともに彼らはOS開発の費用とリスクに嫌気がさすのでないかと思っている。
エンジニアリング作業に関しては、CanonicalはIntelと緊密な提携関係を結んでおり、「広範囲にわたるオンサイトのエンジニアリング面での両社の関係によって、われわれは最新のプラットフォームに対するサポートを統合している」とShuttleworth氏は言い添えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ