Fortuneによると、新型iPhoneが同製品発売1周年にあたる頃に登場した場合、AT&Tの店舗では199ドルで購入可能となるという。ただし、この価格はAT&Tの店舗に限定される。新型iPhoneとして用意されるモデルは8Gバイト版および16Gバイト版で、Appleの店舗においては399ドルおよび499ドルで販売される、とFortuneでは報じている。
今回のFortuneの報道は、匿名の消息筋の話に基づいているが、多くの疑問があがっている。筆者がまず考えたのは、この報道が事実なら、大幅値下げというパートナー企業の希望に沿うため、Appleがとる唯一の方法は、アンロック版iPhoneの販売を計画することではないか、ということだ。
Appleは、アンロック版iPhoneに対する需要の高さを認めているようで、直近の決算報告の電話会議でもiPhoneの需要の高さを示し、その開発が行われていることを示唆していたようにも思える。また、iPhoneのファームウェアは2月に公開されたものの、直後にハッキングコミュニティーにより破られているが、同社はまだ更新していない。
よって、仮にAppleがアンロックモデルを許容するつもりなら、AT&Tとしては、人々を2年契約に縛り付ける方法が必要となる。その場合、人々は高価なアンロックモデルか安いロックモデルのどちらかを選択可能になる。それにより、AT&Tが有するiPhoneの独占販売権は事実上消滅することは明らかなので、恐らく、AppleとAT&T間の売上分配契約も終了することになるだろう。
また、6月に向けて複数のiPhoneが準備されているという可能性がある。これまでに出された新型iPhoneに関する記事を見ると、新型は現行モデルに比べ若干厚いとするものもあれば、やや薄いとするものもあり、内容に食い違いがあった。しかし、2種類のiPhoneが発売されると考えれば説明がつく。
恐らく、AT&Tのモデルは、Engadgetが報じた通り、光沢のある黒のプラスチック製シャーシに包まれ、ハードウェアにも若干の変更が加えられ(恐らく本体が現行モデルに比べ厚くなっている)、さらにiPhone専門のハッカーたちが利用してきた抜け穴を塞ぐソフトウェアが追加されているだろう。一方、Appleもスリムなアンロック版として従来のデザインの機種の販売を続けるだろうが、価格は上がるだろう。あるいは、Appleがブラック版を発売するかもしれない。しかし、それは大した問題ではない。複数種のiPhoneが発売される可能性は、2007年に最初のモデルが発売されて以来ずっと取り沙汰されてきたからだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ