「欧米では一般的なSLAという考え方が日本では希薄」:IPA理事長西垣浩司氏

田中好伸(編集部) 2008年05月01日 20時52分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 「欧米では一般的なSLAという考え方が日本では希薄」――。この4月に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の理事長に就任した、元NEC社長の西垣浩司氏は、日本国内における情報システムのプロジェクトの進め方にこう問題点を指摘している。

 2003年4月に独立行政法人になったIPAは、この4月から第2期中期計画を展開。同計画では、(1)ITの安全性向上に向けた情報セキュリティの強化、(2)情報システムの信頼性向上に向けたソフトウェアエンジニアリングの推進、(3)IT人材育成の戦略的推進、(4)開放的な技術・技術標準の普及――という4つを重点施策として進めている。

西垣浩司氏 IPAにとって初の民間出身の理事長となる西垣氏

 このうちの(2)に関連して、IPAでは「ソフトウェア・エンジニアリング・センター」(SEC、鶴保征城所長)という専門組織を2004年10月に立ち上げ、企業向け情報システムソフトと組み込みソフトの開発力強化を目指している。「日本のソフトウェア技術の中心的存在」(西垣氏)というSECは現在、「見える化をはじめとするエンジニアリング手法によるITシステムの信頼性確保」(第2期中期計画)を目的に、重要インフラ分野における品質・信頼性を確保するため、「失敗事例も含めたさまざまなプロジェクトの実践的なデータを産業界の協力を得て収集、分析している」(西垣氏)。

 そうしたSECの活動と自身の過去の経験を踏まえて西垣氏は、冒頭のようにSLA(サービス水準合意)の違いを触れている。

 「欧米では、(情報システム構築の)プロジェクトを進めるにあたり、どれくらいお金をかければどのくらいの信頼性をキープできるのか、相関を決めている。欧米ではそうしたSLAが常識となっている」(西垣氏)

 逆にSLAが希薄な日本では、「(情報システムは)絶対に壊れてはいけないという考え方が極端に強いが、そこからは何も進歩が生まれない」(西垣氏)と、日本国内での情報システムを取り巻く環境に潜む問題点を指摘している。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
運用管理

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化