うつ病の兆候が見られる社員への対処方法は?
まずは、こうしたポイントに気づくことがとても大切です。そして、気付いた後どのように対処するかがより大切になります。以下に、うつの兆候が見られる社員への対処法を挙げます。
対処法その1:感情的に怒ったりせず、まずは冷静に観察
うつを疑われる人に叱咤激励は厳禁です。たいして仕事をしていないように見えますが、本人は限界以上に頑張っているのです。まずは、本人に起こった最近の変化がうつによるものかどうか、上記5つのチェックポイントを参考に観察してください。
対処法その2:仕事量を減らす
うつが疑われる社員は、現在の能力の限界状態で仕事を頑張っています。まずは業務量を減らし、限界ぎりぎりで頑張っている状態を解消して心身ともに余裕を持たせてあげましょう。その際、注意したいのは「仕事を取り上げられた」と思われないようにすることです。
対処法その3:身体の症状を聞いてみる
観察をして、どうもうつが疑われる時は、不眠や食欲不振など身体的な症状が出ていないか聞いてみてください。「気分が憂うつだ」「不安だ」といった心の変化は本人も気づきにくいもので、はっきりと自覚することができません。
対処法その4:受診をすすめる
うつ病兆候リストで該当項目が多い上、身体的にも症状が出ている場合、受診をすすめてみてください。まずは社内の産業医への面談か、近所の内科への受診をすすめてみましょう。本人が受診を嫌がる場合はあまり無理強いをせず、受診をお願いする程度にとどめておきましょう。
対処法その5:自身の心を健康な状態に保つ
うつの部下を持つ上司が、その対応に頑張りすぎて自身もうつになったという話は珍しくありません。心に余裕を持ってうつの社員と向き合えるよう、自分の心を大切にしましょう。
筆者紹介
谷崎 恵 (たにざき めぐみ)
金融機関で資産運用相談業務に従事した後、社会福祉系の大学に編入学。同大学では精神保健コースを専攻。精神病院や心療内科などでの実習を経験し、国家資格である精神保健福祉士・社会福祉士取得。現在は、ストレス診断をはじめとする人材活用ソリューションおよびコンサルティングを手がけるアファリスのコーディネーターとして、企業のメンタルヘルス制度導入のアドバイス・運用にかかわる。