まずは英語の楽しさを知ろう--エリック松永の英語道場(1) - (page 3)

エリック松永 2008年06月02日 08時00分

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 アメリカの企業で働いていると、情報の重要性を肌で感じることになります。メディアだけではなく、生の情報を適切な人から入手できなければ、すべてに置いていかれます。生の情報を得る相手は人間です。一番大事なのは、わかりあえる何かがあることだと私は考えます。

人とわかりあえることとは?

 コンピュータと違い、人間の感情にはどうしても私情が入ります。相手をやり込めて情報を獲るのがよいという価値観を持った人もいるでしょう。でも私は違います。

 私は、仕事であろうが何であろうが、出会った人に自分の思いが伝わったり、相手の本当の思いが感じ取れたりするとそれだけで嬉しいのです。もちろん、人との出会いは楽しいことばかりではありません。時につらい思いをすることもあります。でも、そういう状況を通って私たちはさらに人として磨かれていくのではないでしょうか? それが、知識だけでは計れない「価値=Value」なのではないでしょうか。少なくとも私は、ビジネスにおいても裸で話せる人と仕事がしたいと思っています。それが信条なのです。だから私は、人と出会うと「What's up, man?」から始めるのです。

What's up, man? に込められた気持ち

 英語を「暗記物」としてとらえると上っ面だけになってしまいますが、言葉には歴史があります。「Man」という言葉は黒人社会で始まったと言われています。確かに、ジャズの神様Miles Davisのインタビューを聞いていると、かなり頻繁に「Man」という言葉が出てきます。

 ジャズという音楽は黒人差別の歴史そのもので、Davisの自伝を読むとその差別の根深さを感じます。1920年代からジャズシーンの中心となっていたニューヨークにおいて、ジャズは黒人が金持ちの白人に聴かせる音楽でした。魂は売らないと言っても、黒人のプレイヤー達にお金を払うのは白人達だったのです。白人は黒人のプレイヤーに対し、「Hey, Boy!」と呼びかけていました。これに嫌気を感じた黒人達の間で流行ったのが「Man」だと言われています。実際この話が本当かどうかはわかりませんが、私はこの話を信じ、「Man」は対等な立場の象徴だと理解しています。だから私はどんな人に対しても「What's up, Man?」と言うのです。

英語は人生を豊かにする

 私は、コミュニケーションには語学だけでは到底なし得ない深さがあると思っています。英語が流暢に話せるだけで、仕事ができて女性にもモテまくるなんてうまい話はありません。母国語で魅力を発揮できない人は、何語を話しても魅力がないものです。

 私は、まず英語を横に置いて、自分で本当に楽めることは何なのか考えることを薦めています。スポーツでも、音楽でも、絵画でも、映画でも、もちろんビジネスでもお金でも無類の女好きでもいい。楽しいことは自分の人生を豊かにする源泉です。

 もし楽しみがないなら、英語なんて勉強している場合ではありません。貪欲に楽しめるものを見つけるべきです。次に、自分の本当に楽しいことと英語がどう結びつくかを考えるのです。もしその結果が英語ではなくフランス語であれば、フランス語を勉強すべきです。とにかく英語でなくてもいいので、何か母国語以外の言葉と最低1つは真剣に向き合うことをオススメします。

 話を戻しますが、自分の楽しいことと英語、この2つが結びついた時に初めて英語に向き合う準備ができたといえるのです。安直な英語学習方法に飛びつく前に、じっくりこのことを考えてください。このポイントさえクリアできれば、英語はどんどん楽しくなり、上達します。

今回の宿題

 まず、自分の楽しいことを思い浮かべて下さい。そして、それが英語とどう結びつくのか考えて下さい。

Peace out,
Eric

Eric
筆者紹介

エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。

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