セキュリティを「対話」で向上させたいマイクロソフト - (page 2)

小山安博 冨田秀継(編集部)

2008-05-29 08:00

 「End to End Trust」は、「Trustworthy Computingのコンセプトをネットに適用したもの」(同)であり、「SDLで長年投資を続け、学んできた知識をほかのコミュニティ全体で使ってもらう」ことを念頭に置いたビジョンだという。

 このビジョンの柱の1つが、デバイスとネットが接続される時にデバイスの認証を行い、OSやアプリケーション、ドライバ、データ、そしてそれを使う人を証明するというものだ。「これが成功するためにはハードウェアやソフトウェアのベンダー、セキュリティコミュニティ全体が協力することが必要だ」とStathakopoulos氏は語っている。

Microsoftだけで取り組んでも「成功しない」

George Stathakopoulos氏 George Stathakopoulos氏

 また、Microsoftはネットユーザー同士が互いを認証するための仕組みも重要だと認識しており、「プライバシーや匿名性の問題があるが、重要なのはどのようなプライバシーの情報のセットを出すかだ」とStathakopoulos氏は指摘し、提供する情報を自分で選択することで匿名性を保つこともできると語っている。

 こうした取り組みは「Microsoftでは一部分しか行えない」(同)。多くのベンダーやサービスプロバイダー、政府などにも「果たすべき役割」(同)があり、コミュニティ全体として作り上げていくものだという。

 End To End Trustは、今年4月のRSA Conference 2008で公表された。公開後、続々とフィードバックを得ており、今後さらに改善していきたい考えだ。「重要なのはオープンな対話だということ」とStathakopoulos氏は強調。Microsoftが主導し、Microsoftの技術を使っていくのではなく、「まず話し合いをして方向性を示すのが重要だ。議論をして、どうあるべきかを見極めるべきで、(Microsoftの)テクノロジーありきでやっていくのではない」(同)と、同社のスタンスを明らかにしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]