意見の不一致を効果的に処理する10の方法 - (page 3)

文:Calvin Sun 翻訳校正:石橋啓一郎

2008-06-03 08:00

  1. 注意深く話す
  2.  一度口から出た言葉は、取り返しがつかない。電子メールの「送信取り消し」に対応するような「発言取り消し」の機能は存在しない。同様に、池に投げ入れられた石が起こす波は必ず外側に向かって広がる。ことわざにも、「とげのある言葉は怒りを掻き立てる」と言う。

     小さい頃に母親が教えてくれる、答える前には3つ数えろという教えは(私の母は実際に10まで数えろと教えてくれた)、今でも十分に役に立つ。特に、前述のアドバイスに従って、「あなた」や「あなたの」という言葉や、これに類する言葉を使いすぎないように気を付けるべきだ。これらの言葉を使うと、相手自身と相手の意見の境界がぼやけてしまい、相手を身構えさせたり、責任を問われていると感じさせたりすることになる。

     うまいテクニックは「コロンボを演じる」ことだ。コロンボは古いテレビシリーズの探偵の名前だ。この役を演じたPeter Folk氏は、説明をしてもらう必要がある人の前では、常に間抜けに見えるように振る舞っていた。同じように、もし違う意見や懸念を持っている場合は、それを明言するのではなく、質問の形で表現することを考えてみるといい。相手の意見は問題に繋がらないだろうか?質問をすることで、それに答えるうちに相手も問題に気付くことができる。ただし、このテクニックを使いすぎると、不自然になったり不誠実に聞こえたりするので注意が必要だ。

  3. 低い声を使う
  4.  「とげのある言葉は怒りを掻き立てる」のと同じように「柔らかい答えは怒りをそらす」と言う。話す時に声を低くすることによって、3つの利点が得られる。第1に、緊張があるとすればそれを和らげる。第2に、相手に話を聞かせる。第3に、その意外性から、声を低めることで心理学的に議論で有利になる。

  5. 他の人の観点からものを見る
  6.  以前のブログ記事で、私は技術的な概念を説明する際に、他人の観点からものを見ることの重要性について説明した。それと同じ原理が、意見の不一致の尊重にも適用できる。相手の意見をよく理解すればするほど、相手の懸念を理解しやすい -- そして、その意見の不一致を解消しやすくなる。自分の意見で応じる前に、まず相手の意見と懸念を言い換えてみるようにするといい。そのことが強力なメッセージとなる。より重要なことは、まず自分と相手でともに意見が合う事柄について強調することだろう。

  7. 意見の不一致が解消されたら、それを忘れる
  8.  われわれはみな「水に流す」という言葉を知っている。問題が解決されたら、起こった誤りについては忘れることだ。過去の食い違いにこだわっても、生産的な結果につながることは少なく、敵意や悪感情に繋がる可能性もある。振り返るのは、過去に学んで将来の間違いを避けるためだけにすべきだ。

    この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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