企業が注目すべきモバイル技術:MVNO

大野晋一(編集部) 2008年06月04日 12時00分

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 コンシューマーに目を向ければ、番号ポータビリティによる各キャリアの契約者数の増減がメディアを賑わしている。しかし、エンタープライズでは、いかにニッチなエリアで高い収益を実現するかが重要。ニッチなエリアに効果的なソリューションを導入するのに有効そうな枠組みとしてMVNOに注目したい。

 ちょうどZDNet Japanの姉妹誌であるCNET Japanで「充実のモバイル端末、どれを選ぶ?」というパネルディスカッションがあったので、筆者もこれに解答する形で、エンタープライズコンピューティングにおけるMVNOの有効性について書いた。まずは、冒頭のニッチなケースの具体例をここから引用してみよう。

たとえば、新聞記者用の端末をMVNOで提供するといったことが可能になるわけです。ここでは、特定の業者が端末(電話と言うよりノートPCのような形をしているかも?)からアプリケーションまでを一括で開発、回線は既存のものを借り、これらすべてを記者が取材をして会社に送信するのに最適な一つのパッケージにして新聞社に納入します。

 現在の大手携帯キャリアがこうしたパッケージを提供することは不可能だが、MVNOによって専門の業者がやるのであれば十分可能性がある、と筆者は考えている。

 もっとも、斜陽の出版業界はお客様としてあてにできないだろう。特に上の例で挙げたような端末だとコストも高くなってしまう。しかし、通話機能も入力機能ももたず、RFIDやGPSなどのセンサーで集めた情報を定期的に携帯電話回線を通じてサーバーに送信するといった端末なら十分安価に制作できるだろう。

 エンタープライズモバイルと言われて、すぐに思いつくのは、営業マンがノートPCを使って移動中の時間を有効に使ったり客先で情報を入力したりといった場面かもしれない。しかし、これらは既存の業務を効率化したり、入力の精度をあげるといった効果に限定される。

 MVNOによる、既存の枠組みでは不可能なニッチセグメント向けの端末により新しい業務フロー、あたらしいビジネスモデル、大幅なコスト削減が企業レベルで生まれる可能性にこそ期待したい。

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