リスクは、チャンス
環境問題を議論するとき、終末論的な予測と資源の減少に重点が置かれることが多いが、よいニュースも存在する。
グリーンITが突然注目されるようになった結果、ベンダーや企業にとって今後成長するこの市場から利益を得る機会が生まれたということである。アナリスト会社Forresterの最近の研究では、グリーンITのグローバル市場の規模は、2013年に480億米ドルとピークに達した後、企業の効率がピークに近づくにつれ縮小すると予測している。
アナリストグループであるS2の情報では、企業が環境に与える影響を正確に測定して支払うという、「グリーン会計」市場が登場する可能性を予測している。影響の測定はソフトウェアベースとなるであろうし、政府による規制に適合し、顧客や取引相手を満足させることに役立つであろう。
企業は、グリーンIT市場で利益を上げようとする努力を続けている。Microsoftは最近、エネルギー効率の高いインフラストラクチャの構築に役立つソフトウェアを開発することによって、グリーンIT市場に参入すると発表した。
ハードウェアメーカーも、最先端のハードウェアを形成する要素の定義を変化させている。
「これまでは、ハードウェアが新しくなると消費電力が増加するという正比例の関係が存在していた」(Symantec、Jose Iglesias氏)。ただし、こうした傾向は、電力コストと熱の問題に対する意識の高まりから、減少しているか、むしろ逆転しているようだ。これは、たとえば、Intelの最近のサーバチップでも見られる。
電力コストが上昇し、法規制が厳しくなるのに伴って、より多くの企業がグリーンITへ向かうことが加速するだろう。しかし、こうした動きの背景にある最も重要な要素は、グリーンITへの取り組みを通じてもたらされるコスト削減であることに変わりはない。
最終的に重要なのは、環境の保護ではなく、効率の高さである。それこそが優れたビジネスプラクティスなのである。