カンタン英語でラクラクコミュニケーション--エリック松永の英語道場(3) - (page 3)

エリック松永

2008-06-30 08:00

 私なら嫌になってしまいますね。とりあえず私の頭では無理! そう言って投げ出したくなってしまう。高い理想を追い求めるのもいいのですが、その結果日本の英語教育の現場はどうなっているでしょうか?

 現在完了、過去完了、仮定法、倒置法などなど、範囲もわからない理想的なエリアを夢見つつ、ゴールのない学習をしているのです。基本的な会話もできないのに米文学を読解させる、それが日本の英語教育です。もちろん文学の世界を深く追究したい人はそれでいいのですが、まずは足並みそろえてきちんと会話できるようにしたいものです。モチベーションが維持できなければ継続的な学習はできないのですから、大事な部分から学習していく必要があるのです。

図6

理想ではなく現実から身につける

 Ericの英語道場では、文法を非常に重要なものととらえています。しかし、それはマニアックな文章や表現に対応するようなものではなく、基本的に重要な、かつ圧倒的頻度の高いエリアをまずは攻略しようというものです。

 実は、Ericの英語道場の門をたたくエンジニアが悩んでいることの大半は、「海外のパートナーやベンダーとコミュニケーションがうまくできない」というシンプルな内容です。シェークスピアの原書が読めない、という悩みはあまり聞いたことがありませんし、そこまでの読解力がビジネスの場で必要とされることはまずありません。

 ただし、ビジネスでの会話は、飲み屋での会話と違い、話す内容に重要な意味を持ちます。海外でのビジネスは、日本人からするとざっくばらんに見える部分と妙に堅苦しい部分があります。コミュニケーション自体はフレンドリーな雰囲気でも、発言したことは証拠になるので細心の注意を払い、書面(メール)での確認が必要となります。

 ここで言う書面とは、文学的な深い文章を1週間かけて書くことではありません。まずは即電話で確認し、その後メールで念を押す、という程度のものです。国際的なビジネスコミュニケーションの達人になるためには、きちんと言うべきことを、簡潔に、早いタイミングで言うことが大切です。そして、わからなかったら即確認し、話した内容を必ず書面で確認すること。英語でこうしたことができない一番の要因は、理想に満ちた日本の英語教育から生まれた、とてつもなくわかりにくい文法だと思うのです。理想を求めて考えすぎて、文章が出てこないのです。

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