特定非営利活動法人(NPO)の環境エネルギー政策研究所(ISEP)など自然エネルギー関連の8団体は7月1日、自然エネルギー政策に関連する検討や提言を行うための基盤として、「自然エネルギー政策プラットフォーム」(Japan Renewable Energy Policy Platform:JREPP)を発足させたことを発表した。
JREPPに参加したのは、全国小水力利用推進協議会、日本風力発電協会、風力発電事業者懇話会、日本地熱開発企業協議会、日本地熱学会、日本建築学会地球温暖化対策推進小委員会、ソーラーシステム振興協会。ISEPは事務局としての役割を担う。
JREPPでは、これに先立つ形で「2050年自然エネルギービジョン」を表明している。2009年12月にコペンハーゲンで開催される「気候変動枠組条約締約国会議」(COP15)での枠組み合意を目指して、日本はこの7月に開催されるG8洞爺湖サミットの議長国として、主要排出国に対し「2050年までに全世界の温室効果ガス排出半減」への合意を呼びかけている。
2050年自然エネルギービジョンでは、日本が自らの目標を持ち、気候変動対策にどれだけの貢献をできるか、なかでも“イノベーション”の核となる自然エネルギーに注目して、2050年までの展望を提示することを狙ったもの。2050年自然エネルギービジョンはまだ中間まとめの段階だが、日本国内においても自然エネルギーの利用を最大限促進することで、2050年の国内の電力需要の67%を自然エネルギーで賄い、さらに日本国内のエネルギー起源の二酸化炭素(CO2)排出量を75%削減できる(2000年対比)という可能性を提示している。
2050年に自然エネルギーで賄われるうち、風力が10%、太陽光が18%、バイオマスが14%、地熱が10%、水力が14%となっている。
JREPPでは、2050年自然エネルギービジョンの実現を目指して、政府や地方自治体による明確な自然エネルギーに関する中長期の数値目標、国民全体の自然エネルギーへの理解と合意、的確な自然エネルギー政策による導入バリアの緩和や自然エネルギー市場の大幅な拡大が不可欠とし、さまざまな検討や提言を行っていく方針を明らかにしている。