Microsoftは新しいライセンシングプログラム「Select Plus」を発表した。同社関係者は本製品により大規模および中小規模の企業によるソフトウェアとサービスの購入を簡易化することを目指しているという。
顧客は米国時間7月1日に発表されたMicrosoftの新たなSelect Plusライセンスを10月1日まで購入することはできない。同社幹部によると、来週ヒューストンで毎年のMicrosoftによるWorldwide Partner Conferenceが開催される前に、Microsoftは顧客とパートナーに対し、それを会得する時間を与えるために今週発表したのだという。(7月1日はまたMicrosoftにとっては2009会計年度の初日であり、それもまた発表のタイミングにおそらく関係しているのだろう。)
Select Plusは最終的にMicrosoftの現在の「Select」ボリュームライセンス契約に置き換わるであろうと、同社関係者は述べている。
「われわれは顧客がソフトウェアとサービスを購入する方法についてもう少し柔軟に考える必要があった」とMicrosoftのWorldwide Licensing and Pricingグループのディレクターを務めるChris Blackley氏は述べている。Select Plusは「われわれの進化するビジネスの次のステップであり、ライセンシングを簡易化しようとするものである。これは複数年にわたる進化だ。」(Blackley氏)
Select Plusは製品レベルではライセンシングに対する変更をいっさい加えない――したがって例えばコアやバーチャリゼーション周辺には変更は導入されないことになる。
しかしこの新しいライセンシングプログラムでの最大の変更は、Select Plusに基づくボリュームライセンシング契約は「evergreen」、つまり失効期限がないことであるとBlackley氏は述べる。この変更にまつわるMicrosoftのマーケティングのスローガンはこうである:「更新は役員会レベルではなくIT予算レベルに抑えよう。」
新プログラムではまた、顧客がSelectボリュームライセンス保有者から購入したときにはSoftware Assurance(SA)契約を比例配分したレートとすることを認める現行のMicrosoftのポリシーを廃止する。Select Plusの下では、SAの年額ライセンシング契約は顧客が購入した全製品について満3年間継続する。(Software Assuranceは議論を醸したMicrosoftのライセンシングプランであるが、顧客に3年間のライセンスを購入させ、その期間中は製品のアップデート版も入手できるようにするものである。)
「いつそれを購入しようとも、36カ月間のSA、という特色はよいものだ」とMicrosoft Services for Net(net)Inc.のシニアバイスプレジデントを務めるScott Braden氏は述べている。「顧客と再販業者は現行の1、2、3年の案分計算による料金設定を把握しようと常に頭を悩ませていた。しかしマイナス面は、顧客はその環境下で失効日がそこら中に分散しているという混乱に陥るかもしれない。それもまたひとつの管理上の課題となるであろう。」
新しいSelect Plus Programで導入されたもうひとつの変更点は予想に関連している。現在のSelect プログラムでは、顧客はソフトウェアとサービスの購入について3年先まで予想することが必要とされる。もし顧客がボリュームを予想し損ねると、それはダウンレベルされて、追加的な支払いを要求される(購入のボリュームが大きくなるほど顧客が支払うサービスあたりのコピー価格が割安になるためである)。しかしSelect Plusでは予想作業は必要とされなくなり、実際の購入がライセンス料の算定に利用されるとBlackley氏はいう。
新プログラムの下では、顧客とMicrosoftとの複数のボリュームライセンシング契約は管理と経営の観点から統合されることになる。
「一見したところ、単にライセンスとSAを取得するためのもうひとつの選択肢とモデルを提供するというだけでクライアントにとっては純便益となるようにみえる」とBraden氏はいう。「しかしMicrosoftのライセンシングではいつもながら、悪魔は細部に宿るのである。」
現在Microsoftの製品をSelect経由で購入している顧客はいるか?この新たな変更についてどう思うか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ