Yahooは米国時間7月12日夜、Microsoftと投資家Carl Icahn氏による11日夜の共同買収提案を拒否したと発表した。同提案では、「組織の再構築」とYahoo検索事業のMicrosoftへの売却が提案されていた。
11日夜に出された共同提案に対し、Yahooは24時間以内に受諾または拒否の回答をすることが求められていた。同提案は、MicrosoftがYahooの検索事業を買収することと、Yahooが取締役会役員をIcahn氏が指名する異なる意見を持つ候補者らに一新し、その新しい役員らがYahooのその他の事業を運営することを求めるものであった。
12日午前の時点でMicrosoftからのコメントを直ちに得ることはできなかった。
Yahooの取締役会は、同社法律および財政顧問らとの協議の後、以下のような理由に基づき同提案を12日夜に拒否した。
Yahooの既存事業および、最近のGoogleとの提携には優れた経済的価値があり、MicrosoftおよびIcahn氏の提案ほど複雑ではなく、またそれほどのリスクも伴わない。
MicrosoftおよびIcahn氏の提案は、Yahoo全社をコントロールプレミアムも含めた適切な価格で売却する可能性を排除するものである。
MicrosoftおよびIcahn氏が主張する1株あたりの全体的な価値の大部分を占めるのは、Yahooの検索以外の事業である。Icahn氏が指名する役員候補者らは実質的にYahooの事業に関する具体的な知識を持たないため、これらの事業を軽視する可能性がある。
MicrosoftおよびIcahn氏の提案は、現在の取締役会を直ちに更迭し、Yahoo経営陣を退任させることを求めるものである。そのような動きは、手続きに従った承認を得るまでの最大1年間に及ぶ期間、Yahooを不安定にするものであるとYahoo取締役会は考える。
Yahooは今回の提案を拒絶するにあたり、Microsoftに対し、同社全体を1株33ドル以上で売却する意志があり、Yahoo取締役会は8月1日の年次株主総会の前にそれを交渉および実施することが可能であると考えていることを伝えた。またYahooはMicrosoftに対し、「検索のみに関する取引」についても交渉する意志があることも伝えたと述べた。
しかしMicrosoftはそのいずれの提案も拒否したと、Yahooは述べた。
Yahooは、今回の提案においてMicrosoftとIcahn氏が提示した金銭的条件については明らかにしなかった。