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映画から学ぶ英語圏の文化--エリック松永の英語道場(5)夏休み編

エリック松永

2008-07-28 08:00

 What's up, man?

 皆さん、英語を楽しんでいますか? いよいよ夏休みをとり始める人も出てきたようです。夏といえば映画! 英語を楽しむという視点で映画を楽しんでみてはいかがでしょうか? 実は私、大の映画ファンです。趣味と実益を兼ねて、映画会社のコンサルティングをやらせていただいたこともあります。

 映画ファンならお気づきかと思いますが、前回の文末でご紹介したNorman Macleanの「A River Runs Through It」は、名優Robert Redfordがメガホンをとり映画化されました。第65回のAcademy Awardsの撮影賞を受賞したその映画で名実共にブレイクしたのが、若きBradley Pittそう、ブラピ(笑)ですね。ため息が出るほどの美しい映像は、暑い夏には最高かもしれません。今回は、英語道場も夏休みということにして、英語という視点から映画を観て楽しみましょう。

007で見るイギリスの階級

 映画といえば、個人的な趣味で恐縮ですが、2009年に公開が決定した007シリーズ「Quantum of Solace」(邦題「慰めの報酬」)が気になります。「Quantum」(量、分け前)や「Solace」(慰め)のような難関度の高い単語も、こういう出会いだと頭に入りやすいですね。せっかくですから、外国人と話をした時にも話が合うように、邦題だけでなく原題もきちんと頭に入れておきたいものです。

 さて、007といえば、親の代から人気のあった寅さん的なロングランシリーズですね。主役のJames Bondというと、初代Sean Conneryから始まり、印象に残っているのはRoger MooreやPierce Brosnanと言った2枚目半的なユーモラスなキャラクターでした。このイメージを根本から崩したのが、2006年に公開され賛否両論が激しく分かれた「Casino Royale」(邦題「カジノ・ロワイヤル」)でDaniel Craigが演じた荒々しいJames Bondです。Casino Royaleは、若き日のJames Bondが「00」のコードネームを持つまでを描いた作品ですので、まだJames Bondが今後どうなるのか分からない時代のストーリー。ちなみに、コードネームは開発中のOSやCPUにも使われますね。

 この映画の中で興味深いシーンがあります。それは、James Bondの恋人となるVesperとの最初の出会いの場面で、彼女がJames Bondをプロファイリングするのです。彼女は、James Bondの服装、身体つき、そして言葉から彼の経歴を当てていきます。ここに英国ならではの面白い話があります。英国では、言葉そのものが階級を表すのです。いわゆる上流階級の英語は、次の3つに大別されます。

  • Queen's English
  • Oxford English
  • BBC English

 Oxford Englishは、Uiversity of OxfordやUniversity of Cambridgeに通うような上流階級の高学歴エリートが使う英語で、同じ高学歴エリートでも政治家のようなサラブレット系のアクセントとは異なります。さまざまな映画の中で、エリート校の中でもさらに特別な人として扱われる場面があるのは、アクセントで出身が分かってしまうからなのですね。

 VesperはBondの発音から、彼が高学歴エリートだがサラブレッドではないと言いきります。Bondは、Flemingの原作ではUniversity of Oxford出身(一部London School of Economicsという設定もあり)となっていますから、プロファイリングが的中している訳です。階級というと日本人にはなじめない感覚かもしれませんが、同じ上流階級でもアクセントで違いが分かるということを知れば、映画の中のシーンもより深く理解できるはずです。

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