AT&T、クラウドコンピューティングサービスを開始

文:Steven Musil(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2008-08-06 11:52

 AT&Tが成長著しいクラウドコンピューティングサービスのプロバイダとして、ネットワーキングやストレージサービスを提供するという。米国時間8月4日夜、 Wall Street Journalのオンラインサイトが報じた。

 GoogleやIBM、Amazon.comなどのIT企業大手も取り組むクラウドコンピューティング。このサービスを利用することで、顧客企業は自らのデータセンターの維持に関わる負担をなくすことができる。Wall Street Journalによると、AT&Tにとって最初の顧客は、Teamusa.orgをはじめとする五輪関連のサイトを運営する米国五輪委員会になるという。米国五輪委員会は、AT&Tのサービスを利用することで、北京五輪の開催期間中に運営サイトへのトラフィックが急増しても、ビデオや試合結果を提供できるよう対応する。

 AT&Tがこのサービスの対象顧客と見込んでいるもう1つの業界がEコマース。AT&Tの製品開発担当バイスプレジデントJim Paterson氏は、Wall Street Journalに対し、オンライン販売業者は同サービスを利用して、感謝祭の翌日に見られるような購買活動の急増に耐えられるようになるという。

 クラウドコンピューティングは大企業にとってもとても魅力あるサービスだが、その一方でリスクも存在する。7月、「Amazon Simple Storage Service(S3)」が停止し、多くの企業がデータにアクセス不能となった。Amazonは被害を受けた顧客に自動クレジットを発行したが、この不具合により、顧客は自らコントロールできないデータセンターに依存することの怖さを見せつけられる格好となった。

 Wall Street Journalの報道があった翌日の5日午前、AT&Tは「AT&T Synaptic Hosting」サービスの提供を正式に発表した。同社が「スーパー・インターネット・データセンター」と証するゲートウェイは5つの地域に作られるという。具体的にはニュージャージー州ピスカタウェイ、サンディエゴ、メリーランド州のアナポリス、シンガポール、アムステルダムの5箇所という。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]