評価の低いポイント、高いポイントは?
Owyang氏によると、上記の8ポイントの中でも特に評価が低かったのが、3.の「メンバーが自主的にマーケティング活動してくれるような仕組みになっているか」と、4.の「メンバー同士がコミュニケーションできるようになっているか」という点だ。この2点については、評価対象となった16ブランドのうち13ブランドが合格点に達することができなかった。
3.の「メンバーによる自主的なマーケティング活動」についてOwyang氏は、「例えばFOX Newsでは、ニュースに関してメンバーが最新情報やビデオを投稿する仕組みもなく、投票機能などもない。General Motorsの環境保護を目的としたコミュニティも、メンバー自らが環境保護のアイデアを写真やビデオ入りで提案できる仕組みがあれば、もっと盛り上がるだろうに」と指摘している。
この2点以外で評価が低かったのは、6.の「企業がコミュニティメンバーと積極的にコミュニケーションしているか」だ。16ブランド中11ブランドが合格点に達せず、「平均点が一番低かったのもこの項目だ」(Owyang氏)としている。
逆に、ほとんどのブランドがクリアできていたのは、8.の「メンバーに何をしてもらいたいのかが明確になっているか」(94%が合格)、1.の「コミュニティメンバーの目的を達成させるような価値のあるコンテンツを提供しているか」(88%が合格)、5.の「メンバーがマーケティング活動に接する時間を増やす仕組みになっているか」(81%が合格)だ。
総合評価は低くてもいい点はある
総合評価で合格点の+8以上を獲得したのは、前述のとおりBMWのみだった。Owyang氏は、BMWがコミュニティ内で「メンバー自身が広告を制作、共有できるようにし、その広告に対する投票機能をつけていた」という点を高く評価している。
Owyang氏は、総合点が基準に達していなくとも、各ブランドで評価できるポイントはいくつかあるとしている。General Motorsでは、各個人のプロフィールページやブログ、さらには外部のサイトにも組み込めるウィジェットを提供していた。BMWについても言えることだが、このようにSNSのデフォルトで使える機能以外にも特別な機能を提供していることをOwyang氏は評価している。
また、独特のコミュニケーションツールを提供しているとしてOwyang氏が評価したのは、Dell/MicrosoftとKraftだ。Dell/Microsoftは、アフリカのエイズ対策活動を支援するというREDの活動をSNS内でマーケティングするにあたり、コミュニティの訪問者にさまざまな方法でプログラムの説明をしたり、プログラムスポンサーとなっている登山家と直接交流できる機会を作ったりしている。また、Kraftはウェブアプリケーションを使って友人にユニークな電話をかける仕組みを提供している。