.NETを基盤にした開発の優位性
では、MOSSにあり、Notesに足りない機能とは何なのか。
MOSS 2007の実体は、コラボレーション、ポータル、検索、コンテンツ管理、ビジネスプロセス、ビジネスインテリジェンス(BI)といった6つの機能を提供するプラットフォームの総称で、ビジネスの情報活動を共通化、効率化するスイート製品という位置づけだ。この6つの領域でNotes/Dominoが標準でカバーしている部分は、コラボレーション、ポータルの一部、コンテンツ管理の一部、そしてビジネスプロセスの一部ということになるだろう。
MOSSのエンタープライズコンテンツ管理はWebコンテンツなど対外的に情報発信するような情報の管理も含む。また、ビジネスプロセスに関しては、Notes/DominoではLotus ScriptとDomino Designer、もしくはComponent Designerを用いてワークフローを開発するのに対し、MOSSの場合は、InfoPath(XMLでフォームを記述、編集するためのエディタ)を使った作成などに加えて、.NET基盤上で開発が可能で、フレームワークも.NET Frameworkのワークフローファンデーションをベースに作られており、他の.NETテクノロジーを使って作られたワークフローもMOSSに組み込んで使えるという拡張性がある。

MOSS 2007でのアクセス権管理が可能に
MOSSの主要な機能となる6機能の中でも、特に「エンタープライズコンテンツ管理の機能にユーザーの関心が高い」とマイクロソフトではいう。特に、Microsoft Officeの各ツールで作成した文書やファイルを暗号化し、表示やコピー、印刷する権限を管理するInformation Rights Management(IRM)との連携機能が便利だと評価されているという。
IRMはOffice 2003より搭載され、2007ではMOSSのライブラリ側で自動的にIRMを設定できるようになった。ライブラリ側に置いたファイルが一律でロックされるのではなく、MOSSのアクセス権に従って動的に制御がかけられ、ユーザー別、ドキュメント別、またはグループ別にアクセス制限を設定できる。クライアント側の文書保護の仕組みとサーバサイドのセキュリティ機能を連携させることで、きめ細かく厳密なセキュリティ管理が実現する。
