日本人は「もうかっている」という言葉の定義が非常にあいまいな国民です。高度経済成長時代からのシェア至上主義が抜けきれず、利益についての意識が薄い傾向があります。もちろんシェアを取ることは、戦略上重要です。しかし、利益を無視していては、最終的に体力がもたなくなってしまいます。
では、一番シンプルな「もうかっている」をお教えしましょう。それは、
- もうかっている = Revenue(売上) − Expense(費用)
です。売上から、その売上を達成するためにかかった費用を全部引いたものが、「もうけ」になります。
例えば、次の会話を考えてみましょう。
米国人上司: Oh, your results are not quite well...
日本人SE: What's the problem? The sales are 10% over 1st quarter.
米国人上司: Hey! Check the bottom line. ASAP!
これを日本語に訳すと……
米国人上司: うーん、成果が出ていないようだな
日本人SE: 何が問題なんですか? 売り上げは第1四半期の10%増を達成していますよ
米国人上司: おいおい、ボトムラインを確認しろ! すぐにだぞ!
となります。どうやら上司はカンカンに怒ってしまったようですね。なぜだかわかりますか? 先ほどの計算式をここに当てはめると、
- Bottom Line = Total Revenue − Total Expense
となります。Bottom Lineとは、すべての売上(Total Revenue)から、かかったすべての費用(Total Expense)を引いたものなのです。いくらTotal Revenueが多くても、Total Expenseが多ければもうかったことにはなりません。もしTotal ExpenseがTotal Revenueを超えてしまえば、マイナスになってしまいます。だからBottom Lineは重要なのです。Bottom Lineとは、Net Income(純利益)のことで、真の「もうけ」はNet Incomeで表されます。Total ExpenseがTotal Revenueを超えた場合は、Income(利益)を生みませんので、Net Loss(純損益)になってしまいます。
では、皆さんは会社がもうかっているかどうかを判断する際、何を参考にしていますか? まさか、新聞でちら読みした業界の話や感覚でもうかっているなんて言っていませんよね。ここで、企業がもうかっているかどうかを知る方法について説明したいと思います。