SIベンダーが教えるNotesマイグレーション成功の法則--企業のコラボレーション基盤を考える(4) - (page 3)

富永康信(ロビンソン) 2008年08月29日 21時41分

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独自のツールとフレームワークをスイート化

 さらに、移行のための各種ツールやサービスを組み合わせた統合サービスとして、「Lotus Notes to .NET Migration Suite」(以下、.NET Migration Suite)を用意。Notes/DominoからMicrosoft Office SharePoint Server 2007(MOSS)への移行を、アセスメント、開発、拡張を組み合わせる形で提供し、計画段階から移行作業のサポートまでをカバーする。特に、このスイートに含まれる移行フレームワークや移行ツールは、.NET技術に長けた日本ユニシスが独自のノウハウを盛り込んでおり、Notesのヘビーユーザーであっても、その期待に応えるレベルで.NETアーキテクチャでの再構築が可能になるという。

 また、このようなマイグレーション作業には、Notesに精通したスペシャリストの存在が欠かせない。日本ユニシスでは、十数年前にグループ企業の日本ユニシスソフトウェア(現在の日本ユニシスソリューション)でNotes導入ビジネスを立ち上げ、数多くの専門技術者を育成しながらNotesの普及や拡大に貢献した。

080829-unisys 「Notesを知り尽くしたメンバーだからこそ、的確なマイグレーションプランを提案できる」と語る、日本ユニシスの西田良映氏

 同社では、SharePointのリリースと時期を同じくしてそれまでの戦略を転換。本業のSIビジネスにつなげやすい.NETを中心としたマイクロソフトのビジネスへのリソースの集中を決めた経緯がある。その際には、Notes/Dominoの専門技術者をすべて.NETソリューションの部門に移管している。西田氏は、「現在の.NETやMOSSへのマイグレーションサービスを実行する部隊の中心メンバーは、当時Notes/Dominoを専門に扱っていたプロフェッショナル。Notesの限界を知り尽くしているからこそ、幅広いユーザーのレベルに応じて、マイグレーションを的確に提案できる」と話す。

 そうした背景があるからこそ、コンサルティングにおいては「Notesの否定」を前提にしないという。ユーザーにとってメリットがあるのなら「Notesは残すべき」というスタンスをとっている。

 Dominoデザイナーのエンドユーザーコンピューティング(EUC:ここでは、エンドユーザーがアプリケーションの開発や運用管理ができる環境のことをいう)は、簡単にフォームを作り、さまざまなスクリプトを織り交ぜてマスタを参照させたり、ワークフローのロジックも組み込めたりできるような、アプリケーション開発環境や生産性の高さが強みだ。一方、SharePoint Designer 2007はITプロ向けのデザインツールであり、コーディング不要とはいえ、ユーザーレベルで使いこなすのは少々難しい。その点では、Notes/Dominoには一日の長があるといえる。

 だが、Notes/Dominoはその圧倒的な開発生産性の高さと自由度が逆に、集中管理ができないほどのデータベースの乱立を招く原因ともなった。その点で問題を抱えたユーザーには、MOSSの導入を進める場合、ガバナンスを効かせてしっかりと管理する部分と、ルールを設定して利用者の良識に任せる部分とを分けて考えるようにアドバイスするという。例えば、アプリケーションは部門の管理者が作ることをルール化し、データは原則2年で自動的に削除されるように設定するといったことである。

 これまで、「コラボレーション」や「情報共有」を目的としたIT投資は、投資対効果が見えにくいと考えられ、企業がどのように価値を見出すべきかの判断が分かれていた分野だった。しかし最近は、基幹系や業務系の、いわゆる“枯れたシステム”に対して大規模な投資をしても、劇的な変化は起こらないという理由から、IT投資をするならエンドユーザー自身が変化を感じられる情報系の刷新が効果的だと考える企業が増えている。いわゆる「BtoE(企業が従業員に対するサービスを提供するシステム)」への投資の一環として、ワークスタイルの革新やコラボレーション基盤の刷新に関心が向き、それがNotesマイグレーションの“第2の波”を後押ししている。

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