Gross Profitを知る
ここに2人のラーメン店経営者がいます。ラーメン店Aとラーメン店Bとしましょう。Total Revenueは、A店がB店の約1.5倍です。この時点では2店の違いはあまりわかりません。
A店は、こだわりのラーメンで最高の味を提供しています。のりや豚肉の仕入れに異常なこだわりがあり、スープの味が気に入らない時には店を開けないこともあるようです。一方のB店は、素材には全くこだわらず、中国産など少しでも安い食材を調達しています。
ここで言う原材料の仕入れ値は、Cost of Goods Sold(売上原価)といいます。COGSと略すことも多いのですが、Cost of Revenueということもあります。そして、Total RevenueからこのCOGSを差し引いたもうけがGross Profit(売上総利益)で、数式に表すと以下のようになります。
- Gross Profit = Total Revenue − COGS
Gross Profitは、日本では一般的には「粗利」と呼ばれています。製造業の人がよく「粗利は?」と口癖のように言いますが、それは総売上から原価を引いたもののことです。製造業では、製造原価に対する意識が強いので、粗利という言葉がよく使われます。
Gross Profitを図で見る
Financial Statementを読むときのコツは、細かい数字よりぼんやりとした絵でイメージすることです。例えば、以下の図を見てください。
A社とB社のTotal Revenue、COGS、Gross Profitを絵で見ると、B社のCOGSの割合がTotal Revenueに対して多いことがわかります。その原因として考えられることは、
- B社はそもそも、Total Revenueをもっと上げるべき。それが、何らかの理由でRevenueが上がらない状況にある
- B社は調達の原価をかけすぎている。過剰に良い製品を仕入れているか、販売価格が安すぎるか、原材料の調達力が弱いのだろう
などです。Gross Profitを見る時には、「Total Revenueと比較して、COGSが高すぎないかをチェックしよう」と覚えてください。