--ふーん。まだよくわからないな。つぶやくことにどんな意味があるんだい?
マイクロブロギングは一種の「社会的な第六感」(「Clive Thompson on How Twitter Creates a Social Sixth Sense」)を養うものだと言われているよ--世の中で起こっていることを意識し続けることによってね(例えば、火星探査機Phoenixから送られてきたデータを分析しているNASAの科学者は、MarsPhoenixという名前で火星についての最新の考察をつぶやいている)。それに、この第六感は、君の友達や知人に関する情報を蓄積していくことでも養われるんだ。そういった情報は、誰がどこに行ったのかや、何をしたのか、その理由といったことをリアルタイムで詳しく知ることのできるTwitterなくしては得られなかったものなのさ。
--つまり、Twitterは僕の友人が何をしているのかを知るとともに、僕が何をしているのかを彼らに知らせる新たな手段というわけだな。だけど、電話をかけたり、テキストを送信したりするのではだめなのかい?
まあ、実際のところは適材適所だよ。Twitterのようなマイクロブロギングサービスによって、特に大人数のグループ(「コミュニティ」という、これもまたインターネット界の流行語である)に発表するほどのことではないような日常の些細な出来事を人々に絶えず伝える新たなチャネルが提供されるわけさ。
例えば、Web 2.0を賢く利用している米国次期大統領候補のBarak Obama氏には、彼を「フォローしている」Twitterユーザーが6万人以上もついているんだ。6万人の人に電話して、これからミーティングに出かけるところだと伝えるとしたら、そのミーティングにどれほど遅刻することになるのか、想像してみなよ。
それに、Twitterは単なるウェブベースのサービスじゃないんだ。携帯電話にも対応しているから、たいていのユーザーはSMSを使ってつぶやきを送受信できるのさ。残念なことに英国のTwitterユーザーは現在のところ、SMSではつぶやきを受信できないんだけどね。というのも英国では、携帯電話事業者に支払う料金が膨大になるため、Twitterは最近になって英国におけるSMSの受信サービスを停止してしまったんだ(つぶやきのSMS送信は引き続き可能となっている)。Twitterは、携帯電話事業者を説得して法外なSMS料金体系を見直させることができたら、こういったSMSサービスを再開できるはずだと言っている。インターネット対応の携帯電話があればもちろん、今のままでも携帯インターネットを経由して他の人のつぶやきを読むことはできるよ。
--わかったよ。つまりこのマイクロブロギングというやつは、今日の朝ご飯は何だったのかとか、今日は仕事が終わったらビールを飲みに行こうと思っているといった、身の回りの状況を絶えず他の人に伝えるための1つの方法ってわけだ。だけど、それがどうしてビジネスに関係してくるんだい?
コンシューマーや、一部のメディアや政治家がそろってこの流行に乗ろうとしているというのは事実だけれど、企業による利用について言えば、まだ本当に台頭してきたばかりのテクノロジでしかないんだ。そうは言っても、企業の間でもTwitterは次第に利用されるようになってきているよ--Twitter化が進んできているという言い方をしてもいいかな。
マイクロブロギングは、2008年におけるGartnerのハイプサイクル(「Web 2.0, cloud computing 'to transform business'」)にも新しく登場しているんだ--そして「先端企業」数社が「他のソーシャルメディアやチャネルの機能向上」を目指して研究しているという注釈が付けられているんだ。このことは要するに、マイクロブロギングが顧客との関係やコミュニケーションの質を改善できるかどうかという点が調査され始めたということを意味しているんだ。コミュニティの構築だと考えたらいいんじゃないかな。