--企業にとってのデメリットは何かある?
そうだな、スタッフがマイクロブロギングに没頭して仕事にならなくなると心配する声も上がっているね。つぶやきを読んだり、つぶやいたりしている時間があれば、仕事をしろってね。でも、Facebookのようなソーシャルネットワーキングサイトを社内から利用するということに対する懸念の声が定期的に聞かれるのに、業務が止まってしまったという話は聞かないよね。だから、そんな心配は「過剰反応」や「大袈裟」といった部類のものとして放っておけばいいと思う。Twitterが業務の生産性を向上させるのか、それとも低下させるのかは、時間が経てばわかることさ。とは言うものの、(DellのディスカウントコードTwitterのように)戦略的に導入すればある種の業務プロセスを加速できるということは実証されているよ。
Twitterなどにまつわる他の心配事として、ブランドイメージの維持が困難になるという声もあるね--つぶやきは考え無しに書かれるかもしれず、いったん送信したら編集することができないから誤字や人為的な誤りはつきものとなるし(幸いなことに、削除することは可能だ)。
でも誤字があったからといって、必ずしも企業イメージがダウンするというものではないからね。政治家の間でTwitterが浸透しているところを見れば、マイクロブロギングというものが「私生活での本音」に見せかけた宣伝活動にも一役買っていることはわかるけどさ。
政治家が中身の薄っぺらなゴミネタを好きなだけばらまけるからと言って、企業も同じことをできることにはならないだろう。Gartnerは、企業がTwitterやその他の類似サービスを利用する場合には、スパマーと思われるような行動を避けるよう注意すべきだと主張しているよ。アナリストも「有益な情報とおとり広告の差は紙一重だ」と言っている。要は、つぶやく前に考えろということが基本になるだろう。
企業が抱くもう1つの懸念は、スタッフが機密情報をつぶやいてしまわないかということかな。でも、こういったことはどのようなコミュニケーションでも起こり得るだろう--つまり電話でうっかり口を滑らせてしまうとか、転送すべきではない電子メールを転送してしまうとか、それに給湯室でのうわさ話から広まってしまうとか。人間はしゃべる生き物なのだから、スタッフ教育と、適切なセキュリティポリシーが必要になるというだけのことさ。
--うん、Twitterについてわかってきた気がするよ。だけど、他のマイクロブロギングサービスについてはどうなんだい?
Twitterが最大手だけど、Jaiku(Googleに買収されている)やPlurk、Pownce(Diggの共同設立者であるKevin Rose氏によって立ち上げられた)を始めとして、同様のサービスを提供している競合他社がたくさんあるよ。こういった企業の多くでは、ソーシャルネットワーキングの他の側面を取り込もうとしていて、Twitterよりも複雑なものを提供しようとしているように思えるな。Twitterが成功している要因は、この分野に最初に参入したということだけではなく、そのサービスをシンプルなものに保とうとする姿勢にもあるんじゃないかと思う。
それに、社会現象としてのマイクロブロギングは、最も大きな群衆が集まるところで最もうまく機能するわけだから、注目度の高いTwitterは無視できない存在だということも言っておいた方がいいかな。
--それで、いまなにしてる?
今ちょうどオフィスを出て、泳ぎに行こうとしていたところだよ。尋ねてくれてありがとう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ