Web2.0時代のエンタープライズサーチ

みずほ情報総研株式会社
エンタープライズセッションの最新トレンド講演に登場したみずほ情報総研の技術士(情報工学部門)ITコーディネーター、吉川日出行氏は、「Web2.0時代のエンタープライズサーチ」をテーマに、情報爆発時代に求められる企業内情報のファインダビリティとは何かを、Web2.0を企業情報システムへ活用するEnterprise2.0と共に紹介した。
「2010年には、デジタル情報は988エキサバイト(1エキサバイトは1TBの100万倍)になると言われている(IDC調べ)。いま企業で起きているのは情報爆発と情報洪水だ。そのため日常業務においてほしい情報が手に入らない割合が社外で4割弱、社内で3割強となっている(みずほ情報総研調べ)」(吉川氏)
同社の調査では、情報の検索時に特にストレスとなっているのが、「役に立つかどうか分からない」「膨大な件数がヒットする」「ほしい情報が上位に出てこない」「新しい情報かどうか判断できない」など。さらにナレッジワーカーが最も質の高いコミュニケーションに選んだのが、今までどおり電話や会議であり、インターネットやイントラネットではなかったという。
「こうした課題を解決するためには、目的に応じた検索手法を選ぶことが必要になる」と吉川氏は言う。
同社では、「既知情報検索/再入手」「探求検索」「巡回/捜索」「散策」の4つの検索シーンに分類し、 それぞれに最適な検索環境の実現を目指している。また、Web2.0時代の検索におけるキーワードは「集合知」であり、システムのアクセスログや利用履歴など、ユーザーの行動を"知恵"に変えるための仕組みが模索されている。
吉川氏は、「こうした仕組みは個別に作るのではなく、共通基盤として導入することが有効になる。その基盤がエンタープライズサーチであり、エンタープライズサーチを導入することで、より幅広い企業内外の検索ニーズに、よりすばやく効率的に対応することが可能になる」と話している。