オラクルのBeehive:企業にメッセージングの経済性・手段の再考を促す引き金になるか

文:Dana Gardner(ZDNet.com) 翻訳校正:編集部 2008年09月24日 19時48分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Oracleの粘り強さは評価すべきだろう。同社は、グループウェア事業の構築におよそ10年の歳月を費やしてきた。

 しかし、コラボレーションスイートの次世代版「Oracle Beehive」を発表したOracleは、企業向けメッセージングの分野に、斬新さや重要性を感じているのかもしれない。

 Oracleは今週、サンフランシスコで開催されている大規模なOracle OpenWorldカンファレンスでBeehiveを発表した。OracleがBeehiveに投資しているということは、同社の開発者らによる性能面の新たな画期的成果からよりも、Microsoft ExchangeやOutlookをめぐる流動的状況からより多くのビジネスチャンスが生まれることを示している。

 理由は以下の通りだ。特に仮想化分野で経済性や技術が向上すると、一般にサーバのIT機能性は高まる反面、クライアントPCの機能性は低下する。その結果、Microsoft Exchange ServerとOutlook(および各PC上に保存される(危険だが)コストのかかる膨大な量の.pstファイル)の間の「サーバとクライアント」の関係は崩れつつある。

 新たな関係は、サーバとブラウザ、あるいはサーバとシンクライアントICAレシーバだ。以下はBechtelの最高情報責任者(CIO)が、最近アナリストらに語った言葉だ。「IT資金はフロントエンドではなく、バックエンドに使え」

 Exchange内部やエンドデバイスのハードドライブ上のデータのコストやセキュリティリスク、データ拡張性の欠如は、持続性のないITマイルストーンだ。無論、一部の企業などは、Exchangeを保持し、Outlook Web Accessとしてあるいはターミナルサービスを介してクライアントを提供するだろう。

 しかし、現在仮想化を利用し、VDIを評価しているCIOたちから聞いた話では、MicrosoftのExchange、Outlook、SharePointの組み合わせは、さまざまなコストを削減し、SOAで徹底的に取り組み再設計するサーバのリソースプールにこれを導入することが最初にすべきことのリストの上位に位置しているという。

 無論、Exchangeなどは、敏捷性に欠け、高額なTCO(総所有コスト)がかかるが、さまざまな特徴や機能が安価で利用できることは広く認識されている。あらゆる意図および目的に応じて、メール、カレンダー、ファイルフォルダリング、さらに統合メッセージング機能までもが無料で利用できるか、あるいは少なくとも、より大規模なアプリケーションセット、スイートの低価格機能として利用可能だ。

 メッセージングとグループウェアに関して言えば、企業は銅を買うために金を支払っているようなものだ。おまけに、企業はそれらを統合する必要がある。

 多くの企業が、高価な割に柔軟性に欠けるクライアントサーバのExchangeから、サービスベースでサーバベースのメッセージングに移行していることから(OracleはSOAに即したメッセージサービス、CiscoのSONAに似たネットワークサービス、Webサービス、クラウドサービスの拡大を図っている)、企業はいずれExchangeの先を見るようになるとOracleは考えている。

 企業各社は、向こう数年以内にパラダイム、コスト、機能の点からメッセージングの再考を始める。巨大で高価なクライアントサーバを使ったアプローチはいずれ、より安価で、柔軟性があり、統合性にも優れ、データファイルがメッセージングシステム専用とならないオンプレミス(自社運用型)のクラウドでも正常に機能する可能性が高いアプローチに取って代わるだろう。

 Oracle、IBM、Google、Yahooの4社は、(かつてMicrosoftがLotusやGroupWareに対して行ったように)大規模だが脆弱なExchangeの世界フランチャイズに侵入し、徐々に切り崩そうと狙っている。そうなれば、企業向け市場におけるMicrosoftの独占的地位がさらに揺らぐことになる。

 これは一夜にして起きるわけではないが、いずれ必ず起こる。Oracleはその可能性に賭けている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
経営

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化