WebEx Connectを組み込むことで、企業ユーザーは、自社内で運用する場合でも外部からのSaaSを活用する場合でも、そのどちらの場合でもビジネスアプリケーションにユニファイドコミュニケーション機能を組み込むことができるようになる。企業向けIM、文書管理、カレンダーなどの標準的なアプリケーションが組み込まれており、公開されたAPIを使って開発されたサードパーティー製のウィジェットとのマッシュアップが可能になっている。
Unified Communications System Release 7.0は10月1日から、TelePresence Expert on Demandは9月25日から、それぞれ提供される。英語版のWebEx Connectは、デスクトップ用ウェブベースクライアント版はすでに提供されているが、モバイル用クライアント版は2009年初旬に提供開始となる予定だ。
シスコでは、今回発表された新製品群を「“コラボレーション・ポートフォリオ”を形成するもの」(シスコシステムズ副社長の平井康文氏)としている。ここで言うコラボレーションとは、ユニファイドコミュニケーションを含む、より大きな枠組みでコミュニケーションを支援するものと捉えることができる。
ユニファイドコミュニケーションからコラボレーションへという流れは、企業がその命令体系を中央集権から脱中央集権へ、一国からグローバル化へという変化を経ていく中で、企業内あるいは企業間でのコミュニケーションの方法も変わらざるを得なくなっているという現象によるものとなっている。
またコラボレーションへという流れは、企業を取り巻く情報システムのスピードの変化も影響していると、平井氏は説明している。「企業向けの情報システムはセキュリティや信頼性、拡張性、可用性を中心にしているのに対して、消費者向けの技術では、ユビキタスやスピード、柔軟性、Web 2.0、ユーザーの経験を重視している」(平井氏)という状況を認識。それらからシスコでは、「両方の世界でのベストの技術を組み合わせていく」(平井氏)ことを念頭にして、今回のコラボレーションという枠組みを提供していくとしている。