英語教材を使った学習法
では、自主的に英語を学習する場合はどうすればよいのでしょうか。自宅で学習するとなると、親が指導することになりますが、親が英語のネイティブスピーカーでない限り、なるべく親の介入は少なくすべきでしょう。そのためには、CDやDVDの進行のままに学習できるような、教材の中で閉じたプログラムが好ましいと思います。発音は、なるべくCDやDVDを活用し、ネイティブの発音を聞かせて下さい。この時、イギリス英語だ、アメリカ英語だと気にする必要はありません。とにかくネイティブの英語にこだわってください。
ただ、そうは言っても、親が全くかかわらないままでは教材を楽しく進めることはできません。単純に他言語のテレビ番組を見せただけでは子供が言語を習得しないのと同じで、対話やコミュニケーションがなければ言語を習得しようという気もなくなるわけです。
そこで、無理なく勉強を進めるためには、親としても最低限の英語を話す必要が出てきます。そのようなケースに備え、子供に英語を教える前に自分でもリズムに注意してきちんと発音できるよう、できる限り予習をしましょう。そうすれば自分自身の英語力の向上にも役立ちます。
英語教室の活用法
英語教室を選ぶポイントとしては、ネイティブではない日本人が教える学校は絶対にダメということです。小さい頃からTOEICの点数対策をしても仕方ありません。日本人教師がわかりやすく日本語を交えて基本文型を教え、それをベースにいろいろな単語を入れ替えて遊び感覚で英語を学ばせるコンセプトはいいと思います。しかし、これは英語の学習です。ネイティブの発音が出来ないのであれば、子供の英語教師としては失格です。子供時代の英語は、ネイティブのリズムを学ぶ大事な時期だからです。それ以上に学ぶものはありません。腐ってもネイティブ、立派な教育方法論よりリズムをきちんと伝えられるネイティブです。
より贅沢を言わせてもらえれば、親は苦労しますが、日本語が通じない環境が望ましいと思います。日本語がわかる欧米人は、効率よくコミュニケーションするために、日本語を交えた英語や日本語でコミュニケーションをとってしまうからです。これではトレーニングになりません。
こんな場面を想像してください。あなたの息子タカシくんは、将来有名なジャズドラマーになるために、Chick Corea Elektric BandのドラマーDave Wecklにドラムを習っています。レッスンは毎週1時間。レッスンが終わって帰宅すると、あまり上手くない自己流ドラマーのシンヤパパが3時間の特訓をします。シンヤパパのドラムは、正直リズムが少しはずれています。そのシンヤパパのリズムに合わせ、タカシくんはChickに習ったフレーズを復習します。結局タカシくんは、シンヤパパのはずれたリズムが体にたたき込まれるのです。
こんな学習方法、間違っていると思いませんか? 英語はリズム、音楽もリズムです。将来の有能な言葉の才能を、親がつぶしてしまいませんように……
Peace out,
Eric
筆者紹介
エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。