分散した情報、分散したIT、それをつつみこむInfor Open SOA - (page 4)

大野晋一(編集部)

2008-10-20 12:00

Open SOAのメリット

 最大のメリットは、既存アプリケーションに変更を加えることなくSOAに参加させることができる点だ。On rampに対する、OAGiに沿った情報の読み書きさえできれば、基本的にはSAPやJD Edwardsといたサードパーティでもかまわない。これにより、アプリケーションの買い換えなしにビジネスネットワークへの対応を実現する。

 また、接続されコンポーネントやアプリケーションごとの段階的なバージョンアップが可能な点もメリットだ。あるコンポーネントをバージョンアップしてドキュメントのフォーマットが変わったとしてもOn rampが適切なバージョンへルーティングを行ってくれる。新しいバージョンは新しいバージョン同士、古いバージョンは古いバージョン同士と異なるバージョンの混在が可能となる。これも、プレイヤーが多様化するビジネスネットワークでは必須の要件だ。

 そして、InforはOpen SOAをInforのアプリケーションに同梱させる形で提供する。つまり、Open SOAを買う必要がない。これも競合ベンダと大きく異なる点だ。さらに、アプリケーションをOpen SOAにつないでおけば、同社がEvolveコンポーネントと呼ぶ様々な拡張機能を利用できるようになる。Evolveコンポーネントに関しても基本的には追加の支払いは必要ない。(Evolveコンポーネントに関しての詳細は別の原稿に譲る)。

 SOAというとなにかものすごいことができそうだが、従来のファイル渡しやEAと比べて、基本的には柔軟性と標準準拠が追加されただけで、それ単独でまあたらしいことができるわけではない。

 InforのSOAは追加の投資が必要なく、従来のアプリケーションをそのまま使え、さらに、追加機能をもたらすコンポーネントまで基本的に無償で提供される。ユーザーメリットが具体的にされている同社のSOA戦略は非常に評価できるものだ。

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