ITにおける永遠の命題:自分で作るか、購入するか? - (page 2)

文:John Sheesley(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2008-10-22 08:00

デスクトップPCとその他のハードウェア

 Jobs氏とWozniak氏が自宅のガレージでAppleを組み立て始めた頃から、IT業界の人々は自分たちの使用するコンピュータをパーツから組み立ててきている。PCについては長い間、自作すべきか、あるいは完成品を購入すべきかという意見の間で振り子が大きく揺れている。

 ノートPCのようなものをパーツから自作することはほぼ不可能であるものの、デスクトップPCであればそういったことは可能である。ただ問題は、ゲーム用のハイエンドマシンを除き、一般的なコンピュータの価格があまりにも安くなったため、市販のコンピュータと自作コンピュータの価格差がほとんどなくなっているという点にある。

 あなたがPCを自作しようと考えているのであれば、価格以外の考慮点を忘れてはいけない。まず、市販のPCにはメーカー保証が付いており、サポートも1カ所に集約されている。自作の場合でも各コンポーネントにはメーカー保証が付いているものの、それらすべてを管理するのは大変である。

 また、ほとんどの市販PCには不必要なソフトウェアも数多くプリインストールされているものの、あなたが必要とする基本的なソフトウェアも数多くプリインストールされているのである。自作PCの場合、OSを始めとするこういったソフトウェアも別途購入する必要があるのだ。

アプリケーション

 ソフトウェアには異なる3つのタイプがある。1つ目は、店頭で市販されているアプリケーションである。2つ目は、ソフトウェア開発会社が販売しているパッケージソフトウェアであり、これはあなたのニーズに合わせたカスタマイズが可能なものだ。そして3つ目がゼロから開発するソフトウェアである。これは社内で開発する場合もあれば、業者に開発を委託する場合もある。

 市販ソフトウェアは通常、カスタムソフトウェアよりも安価であるものの、当然ながらそれほど融通はきかない。このため、ソフトウェアの動作に合わせて業務を変更する必要があり、サポートされていない機能はあきらめるしかない。つまり、該当プログラムがその価格で行うことと、あなたが必要としているものの該当プログラムでは提供されていないことの価値を対比させてバランスをとる必要があるのだ。

 カスタマイズ可能なパッケージソフトウェアは店頭で市販されているソフトウェアよりも高価であるものの、あなたのニーズに合わせて変更することができる。例えば、私がコンサルタントを務めているあるカントリークラブは、バーとレストランの売上を管理する会計ソフトウェアを必要としていた。しかし、その地域の一風変わった法律のせいで、酒類の販売データを一般的な在庫情報としてではなく、各会員の個人情報として管理する必要があったのだ。標準的な会計ソフトウェアパッケージではこういったことを行えるものがなかったものの、自社ソフトウェアの修正を妥当な追加料金で請け負うという会社を見つけることができた。この会社に依頼することで、カントリークラブはその地域の法律に従った会計システムを手に入れることができたうえに、システムをゼロから構築するよりもコストを低く抑えることができたのである。

 完全にカスタマイズしたソリューションは、最もコストの高いものとなるのが通常である。われわれが警察署の911(緊急応答)システムで採用したソリューションも、こういったものであった。われわれは、通信指令センター職員の意見に基づいてカスタムスクリーンを作り上げ、コードや頭字語などのカスタマイズを行った。出来上がったシステムは彼らの望み通りのものであったが、ある程度カスタマイズできる市販のパッケージソフトウェアよりもコストが高くついたのだ。とは言うものの最終的な分析において、そのコストはパッケージの重要性と通信指令センター職員のニーズに基づく妥当なものであるということが認められた。

 今見ていただいた2つのやり方を、もう一ひねりすることもできる。完全なカスタマイズ、あるいは部分的なカスタマイズは自社内で行うことも、あるいは外部に委託することも可能なのである。このことを考慮に入れて、必要なコストや時間を検討し、最終的な決断を下すことができるのだ。

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