仮想化、クラウド、ウェブ指向アーキテクチャに注目すべき--ガートナー提言 - (page 3)

田中好伸(編集部)

2008-10-29 08:15

 ブログやSNSは、企業システムにも組み込まれつつあるが、企業は従来のウェブサイトやアプリケーションに社会的側面を加えることを検討するとともに、ソーシャルプラットフォームを後回しにすることなく早期に検討する必要があると同社では解説している。これらのテクノロジでは、採用しないことこそが最大のリスクであり、消費者にアピールすべき時に何の情報も発信できなくなるからだとしている。

ユニファイドで大規模な統合に向かう

 (8)のユニファイドコミュニケーションに関連してガートナーでは、今後5年間で一般的な企業が利用する各種の通信事業者の数は最低でも半減するとの見通しを立てている。その主たる要因は、アプリケーションサーバの能力向上と、誰もが入手できる一般的なサーバとOSへの通信アプリケーション自体への全般的なシフトがあると説明している。こうした動きの中で、それぞれ範囲の異なるベンダー企業が存在し、従来は別々であった通信業界の各市場が大規模な統合に向かうことになると同社では見ている。

最優先はBI

 (9)にBIを挙げているのは、ガートナーが実施した最高情報責任者(CIO)意識調査での最優先項目という結果によるものだ。BIは、企業業績に直接的なプラスの効果をもたらし、企業戦略から業務プロセスまでビジネスのあらゆるレベルにおいて、質の高い意思決定を支援し、企業のミッション達成能力を劇的に高めることができる。

 ビジネスの実行・成長・変革を担う立案者や意思決定者となるビジネスマネージャーとナレッジワーカーを対象とするBIは、特に戦略的な意味合いが強いテクノロジだ。それらのユーザーが豊富な情報に基づいて迅速で質の高い意思決定を下す際に支援を提供するBIツールは、さまざまなビジネス環境で高い価値を発揮できるとガートナーでは説明している。

規制強化でグリーンITは制約要因にも

 (10)のグリーンITは、従来の注目が今後も続くと見ていることによるものだ。ガートナーでは、より効率的な製品とアプローチにシフトすることで、今まで以上に数多くの設備・機器が消費エネルギーのフットプリントの要件を満たし、スペースの余裕のない既存のデータセンターにも設置できるようになるだろうと見ている。

 環境に関連した各種の規制は増加の一途にあり、パワーグリッドへの影響、利用増加に伴うカーボンの排出、そのほかの環境への影響が厳しい目にさらされている状況にあるなかで、グリーンITは企業にとってデータセンター構築における重大な制約要因になる恐れは否定できない。そのために企業は各種規制を考慮するとともに、データセンターやシステムの処理能力に対するニーズの高まりに応える代替プランを検討する必要があるとしている。

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