「今、SOAに投資しておけば将来の様々なITの姿に対応できる」――米国Miamiで開催されているSoftware AGの年次イベントInnovation World 2008で、同社のMiko Matsumura Vice PresidentがSOAの有効性を語った。
Miko Matsumura氏はSOAのアーキテクチャーの利点は「一つのシステムや一つの言語がすべてを支配するのではない」こととする。これまでのエンタープライズITは、JavaやERPといった単一の言語やシステムにすべての情報を集め、ほかのサブシステムがこれらにあわせようという考え方の元作られてきた。
しかし、こうした状況では、当然投資もふくらむ。さらに、変更への対応が不十分なものとなってしまう。変更への対応はビジネスの要求への対応だけでなく、エンタープライズITの新しい流れも含まれる。たとえばクラウドコンピューティングの導入により、企業の外部に存在するシステムと情報をやりとりする必要が出てくる。当然、単一のプラットフォームに統一など不可能だ。異なるデータモデル、異なる言語のシステムとやりとりしなければならない。
企業システムをSOA化しておけばこうした状況にも柔軟に対応できるというわけだ。Software AGは、Get there faster.という標語の元、企業システムを現実的に近代化することに注力している。近代化されたシステムとは「一つのシステムや一つの言語がすべてを支配するのではない」システムのことで、SOAはこれを実現するための重要な柱の一つと位置づけられている。
今回のイベントに合わせて、同社のSOAスイートWeb Methodがアップグレードされ、COBOLアプリケーションのSOA化を容易に行えるようになっている。COBOLはメインフレーム上で幅広く使われる言語でレガシーと言われるものの代表格だ。未だ多くの企業がCOBOL資産を抱え、これをどうモダナイゼーション(近代化)していくかに頭を悩ませている。同社はCOBOLアプリケーションをJavaなどに書き換えることなくSOA化することでエンタープライズITの近代化を促進しようとしている。