共感を育む
意識せずとも相手の立場に立ってものを考えることのできる能力を誰もが生まれつき持っているのであれば、世界はもっとより良いものとなるはずだ。これは誰彼構わず相手の主張に同意しなければならないということではなく、相手が感じている思いの根源にある理由を理解できなければならないということなのだ。上記の書籍ではこれをIT技術者特有の「アキレスの踵」と呼んでいる:「IT技術者は直感に従って自らを擁護したり、相手の言うことをさえぎったり、相手の意見を間違いと決めつけたりするような行動をあまりにも多くとりがちである。しかし、効率を追求するということが必ずしも正しい答えであるわけではないのだ。自らの主張の伝え方を間違えることで、伝えるべき内容がITの素人の耳に届かなくなるため、結果的にあなたは影響力を失うことになるのだ」。
相手の言ったことを自分の言葉で言い換えたり、自らの考えを主張する前に相手の考えを受け入れることで、共感を育むことができる。
外交に学ぶ
あなたの顧客が明らかに誤っている場合もあるということは厳然とした事実である。しかしそういった場合でも、自らの立場を実直に主張するだけでは、うまくいかないのである。話し相手を防御にまわらせることのないような方法で、やんわりと反論する方法を学ばなければならないのだ。そして場合によっては、相手の顔を立てる必要もある。例えば「われわれがそういった印象を与えることになった理由はよく判ります」や「おっしゃることはごもっともですが、今から説明させていただきます観点から見ていただければ・・・」といったことを言うわけである。
感情的にならないようにする
コミュニケーション相手があなたの立場を考えようとせず、問題に対するあなたの見解を認めようとしない場合、どうすればよいだろうか?同じように強固な態度で押し返したくなるかもしれないが、それでは事態を進展させることなどできないだろう。1歩下がって、相手の言葉を攻撃として捉えないようにするべきである。